スピーカー出力端子を使って別のスピーカーを鳴らしてみましょう

チューブアンプの選び方

2018年4月20日

チューブアンプが欲しいけど何を買ったら良いか分からない🤔という方に、チューブアンプの選び方、アンプ購入の際のチェックポイントを解説します。

チューブアンプ図鑑


そのアンプでどんな音を出したいのか?

クリーンで使うのか?歪ませて使うのか?

チューブアンプ の特性として、ボリュームを上げて行くに従い歪んでしまう為、クリーン派のギタリストには大きめの出力のアンプが良いでしょう。

 

歪ませて使う場合、どれくらい歪むかが重要なポイントです。

良く歪むアンプの目安として、一つのチャンネルに2つ又は3つボリューム(VolumeとMaster または、Gain、Leadなどの名称のもの)が搭載されている、チャンネルが複数あるかどうかがポイントになります。

 

クリーン/オーバードライブの2チャンネル方式のアンプ
クリーン/オーバー・ドライブの2チャンネル方式のアンプ

最近では、チューブアンプ の特性(ボリュームを上げて行くに従い歪んでしまう)を利用し、アッテネーター(アンプのボリュームを上げ、音量のみスピーカー手前で小さくするもの)や出力切り替えスイッチ(例えば90w⇒45w⇒10w)を搭載したアンプも増えてきています。

出力切り替えSW;
アンプの出力切り替えSW

どんな音色が好みか?

ギターでストラトやレスポールが人気なのは、多くのギタリストが使用していて同じ音が出るからです。

 

アンプの場合も同様で、理想は好きなギタリストと同じアンプを使う事

しかしアンプの場合音量も関係してくるので簡単にはいきません。

 

例えば好きなギタリストが100wのマーシャル1959を使っていたとしても、自宅では音が大きすぎてまず鳴らせません。

どこで使うのか?も大切なポイントになります。

 

Marshall 1959:
MARSHALL 1959SLP

 

アンプのメーカーで選ぶ

アンプのメーカーにはある程度の音の方向性があります(近年のアンプモデリング搭載機を除く)。

ロックをやるならマーシャルメサブギー、ブルースやカントリーならフェンダーなど。

それ以外では例えば米国製アンプはカラッとしたサウンドが得意ですし、英国製はしっとり系、ドイツ製はメタル系に強いなどの特色があります。

 

真空管で選ぶ

パワーアンプ用真空管(6V6)

真空管(パワー管)の違いで音の傾向も変わります。

例えば、6V6や、6L6 フェンダー でよく使われている管ですが、中低域が豊かで高域はカリンとした乾いたアメリカンなサウンドが特徴。

 

主に6V6は小型アンプに、6L6は大型アンプに使用されます。

 

対してEL84EL34 は マーシャル  VOX などのブリティッシュ系アンプに使われる管で、フェンダー系のふくよかさはないものの、タイトでバランスの良いサウンドが特徴(太い音を出すために12×4などの大型キャビネットとの組み合わせは定番です)。

 

ドライブ・サウンドとの相性もよく、多くのハイゲインアンプにも使われる管です。

 

主にEL84は小型アンプに、EL34は大型アンプに使用されます。

※当サイトではyoutubeなどの動画サイトともリンクしていますので試聴してみましょう。音の傾向が分かるはずです。

 

コンボかヘッドか

ギターアンプにはアンプ部とスピーカー部が一体になったコンボアンプ・タイプと、別になったヘッド・タイプ(スタックタイプ)があります。

 

コンボアンプ:
コンボアンプの代表フェンダーアンプ

ヘッド(スタック)アンプ:
ヘッド(スタック)アンプの代表 MARSHALL 1959SLP

コンボアンプはアンプ部とスピーカー部が一体になっているので、アンプそのものを持っていくだけで音を出すことが出来ますが、アンプの重量=スピーカーの重量でもあるので、12インチスピーカー搭載モデルになると20kgを超えてしまい、車を持っていないと運ぶのは結構大変です。

 

一方、アンプヘッドはスピーカー部がないので、アンプヘッドそのものだけでは音を出すことは出来ませんが、例えばスタジオやライブハウスにスピーカーキャビネットがあればそれに繋ぐことが出来ますので便利です(写真のようなマーシャルのアンプヘッド100wはそれだけで20kgありますが)。

 

どちらを選ぶかは、用途によると思いますが、1台コンボアンプを持っていれば、そのスピーカーをキャビネットとして鳴らすことも出来ますので、1台目はコンボアンプ、2台目以降はアンプヘッドという選択もありかなと思います。

 

スピーカーの口径

スピーカーの口径

ギターアンプ の場合10インチ(25cm)、12インチ(30cm)のスピーカーが一般的です。音色の違いを簡単に言うと、10インチはあっさり、12インチはキラキラでパワフルといった感じでしょうか。

 

ライブなど大音量で使う場合は12インチなど口径の大きなスピーカーを選択した方が、迫力のある低音が得られるでしょう。また、1本より2本、4本とスピーカーが増えるにつれ、音圧も豊かになってきます。

 

スピーカーアウト端子を持つアンプの場合、口径の大きな、例えばマーシャルの1960Aのようなキャビネットを繋ぐことで音圧のあるサウンドを得られるので、アンプ選びの基準に加えても良いでしょう(インピーダンスが合っている必要があります)。

 

スピーカーアウト端子;

インピーダンス切り替えスイッチのあるものは、キャビネット自由に選べ便利です
Zinkyアンプのスピーカー出力/インピーダンス切り替えスイッチ

 

12×4の代表 Marshall 1960A:
12x4の代表 Marshall 1960ギターキャビネット

当サイトのおすすめは12インチですが、自宅メインで使用する場合、10インチのほうがバランスは良いと思います。

 

どこで使うのか?

購入するアンプは自宅で使うのか、自宅とライブ両方で使うのか、ライブ・メインで使うのかも大切なポイントです。

 

当サイトでは便宜上、自宅で使う(~15w)自宅/ライブで使う(~30w)ライブで使う(~100w)と分けていますが、 チューブアンプ の場合トランジスタ・アンプと違って、例えば10wであってもかなり大きな音が出ます。

※自宅では歪み系エフェクターの併用も考えましょう。 チューブアンプ はエフェクターを使っても充分に良い音します。特にチューブスクリーマーなどのTS系と呼ばれるエフェクターはチューブアンプとの相性も良くおすすめです。

 

例えば私所有の コーネル・ロマニー・プラスは10wのアンプですが、スピーカーが12インチの為、ちょっとしたライブハウスでも使えるくらいの音量が出ます>もちろん演奏するジャンルにもよりますが。

コーネル・ロマニー・プラス
コーネル・ロマニー・プラス

ワット数と共にスピーカーの口径、エンクロージャー、スピーカーの数なども重要です。

 

また、小さなアンプの場合でもスピーカーにマイクを立てればスタジオや、ライブハウスでも充分使えるものもあるので、試してみて下さい。

 

逆に大きなアンプを自宅などで使う場合、アッテネーターを使う方法もあります。

BUGERA PS1~アッテネーター
BUGERA PS1①
BUGERA PS1~アッテネーター(背面)
BUGERA PS1②

アッテネーターとはアンプをフルアップにした歪んだ状態の音質をキープしたまま、音量だけ下げるというもの。ただしフルアップの状態で長時間使用するとアンプに負担をかけ、真空管の寿命も短くなります。

 

ライブやスタジオ等で使う場合、アンプの重量もチェックしましょう。

 

20kgを超えると、持ち運びはかなり大変で、買ったは良いけど家で眠ったまま・・・なんてことにならないように。台車、キャリーや、アンプ用ケースなどの導入も考えた方が良いでしょう。

キャリーカート / 台車 一覧

キャリーカート

アンプ用ケース / カバー 一覧

アンプケース

 

エフェクターは?

Rivera エフェクトループ端子Zinky エフェクトループ端子

エフェクターは使いますか?アンプで歪ませて、空間系エフェクターを使用する方の場合、エフェクトループ端子(センドリターン)端子の有無も大切なポイントです。

 

レコーディングなどでは、エフェクトループ端子のないアンプの場合でも、スピーカーの前に立てたマイクや録音後にエフェクターをかければ良いので必須というわけではありませんが、あると便利です。

 

その他のポイント

ヘッドフォン端子

自宅で使いたい方はヘッドフォン端子が必須・・・という方も居るかと思いますが、ヘッドフォン端子付きの チューブアンプ は非常に少なく、選択肢を奪ってしまうのでおすすめしません。

 

チューブアンプ の場合、ヘッドフォン端子よりも重要なのはスピーカー出力端子の有無の方が重要なのでは??と考えます。

 

スピーカー端子


コンボアンプ の場合、外部スピーカーを繋げる端子、または内部スピーカー端子がジャック式になっているアンプをおすすめします。

 

スピーカー端子がジャック式になっていれば、例えば6~8インチの小さなスピーカーが搭載されたモデルの場合でも、マーシャル などの大きなスピーカー・キャビネットや口径の大きなスピーカーと繋ぐことで、音圧のあるサウンドを出力することが可能になります。

 

内部スピーカー端子がジャック式であれば、マスターボリュームの搭載されていないアンプでも歪んだ音をキープしたまま音量のみを下げるアッテネーターが使えるというのも大きなポイントです。

 

アッテネーターがあれば自宅でもアンプの歪んだサウンドの再現が可能ですし、機種によってはヘッドフォン端子を搭載したモデルもあるので深夜の練習にも最適です。

 

100Vの正規輸入品か、117Vの直輸入品か

日本国内向けに輸入販売されているモデルは100v、米国から直輸入の ギターアンプ の場合、電圧が米国仕様の117vのままになっています。

 

動作自体は問題ないのですが、そのままだと電圧が足りずアンプの性能がフルに発揮出来ません(歪みやすくなります)。

 

そんな時は 昇圧トランス(ステップアップトランス)を使いましょう。

 

昇圧トランスとは文字通り100vの電圧を117vにアップさせるもので、これによりアンプ本来のパワーを引き出せるようになります。

※当サイトで紹介している ギターアンプ には直輸入品も含まれています。

 

真空管交換の目安

真空管の寿命
真空管は何時交換したら良いのでしょう??私もいまだに良く分かりません(^^;)。

 

いつものように弾いていてボソボソ、ブツブツとノイズが出たり、音量が上下したり、音質が変だと感じたら交換すると良いでしょう。

アンプのトラブルの大半はパワー管です。

 

一般的な管の寿命はプリ管は長寿命、パワー管は使用状況によりますが1~3年位と言われていますが、個体差、使用状況にもよるので一概には言えません。

 

パワー管の寿命がくると突然ヒューズが飛ぶことがありますので、突然音が出なくなる、電源が入らなくなる場合は疑ってみましょう。

 

もしもの時の為に予備は必ず用意しておきましょう

 

バイアス調整について

パワー管が1本のアンプや、自己バイアス機能を持ったアンプ以外はパワー管のバイアス調整が必要です。

 

バイアス調整があるからチューブアンプは使わない!というかたもいるのではないでしょうか??

 

バイアス調整とは、2本または4本の複数のパワー管の特性をアンプ側で適正値に合わせる作業のことですが、このバイアス調整についてはプロでも色々と意見があるようです。

 

絶対にやらないとダメ!という人。マッチングされた管を挿して音が変でなければ大丈夫!と言う人などなど。

 

真空管アンプを購入したら信頼できるショップを見つけることも大切ですね。

バイアス調整のいらない真空管アンプ

近年は、面倒なバイアス調整を自動で調整、監視してくれるアンプも増えています。

 

HUGHES & KETTNER(ヒュース&ケトナー)のTSC (Tube Safety Control)

HUGHES & KETTNER GrandMeister Deluxe 40
ドイツが誇る HUGHES & KETTNER(ヒュース&ケトナー)の近年のアンプには、パワー管を監視する、TSC (Tube Safety Control)が搭載されています。TSCとは、真空管の寿命を延ばし、アンプ本体での自動バイアス調整、パワー管の異常をリアパネルのLEDで表示してくれるので非常に便利です。

 

BUGERA ( ブゲラ ) IのNFINIUM シリーズ

BUGERA 333 INFINIUM

BEHRINGER(ベリンガー)の真空管アンプ・ブランド、BUGERA ( ブゲラ )のチューブアンプには、Infinium(インフィニウム・ヴァルブライフ・マルチプライヤー・テクノロジー)を採用。真空管をモニタリングし常に最良の状態に調整し、真空管のパフォーマンスを最大限に生かすシステム(バイアス調整不要)。LEDにより真空管の交換タイミングも教えてくれるようですね。

チューブアンプは使ってみたいけど、バイアス調整は分からない、また余計なお金はかけたくないという方におすすめのアンプですね。