JENSEN C12NをCornell Romanyに載せることに決めました

誰でも簡単コンボアンプのスピーカー交換とスピーカーの選び方

2018年4月20日

ギターアンプの音質、音量に不満ならスピーカー交換を考えてみましょう。

スピーカーを交換することで音質の向上はもちろん、音量アップも可能です。

スピーカー交換の手順とスピーカーの選び方の解説。

写真は今回交換した、許容入力50wの12インチスピーカー JENSEN C12N。

誰でも簡単コンボアンプのスピーカー交換とスピーカーの選び方


スピーカーの種類・選び方

お気に入りのギターアンプの音質や音量に不満なら、スピーカーの交換を検討してみましょう。

コンボアンプのスピーカー交換

スピーカーには、マグネットの種類、マグネットの大きさ、コーンの種類等があり、同じ口径でも音質は様々です。

 

 

マグネットの種類

スピーカーに使用される磁石(マグネット)は、アルニコセラミック(フェライト)、ネオジウムの主に3種類。

 

✅アルニコ:
スピーカーのマグネットとしては最も古い アルニコマグネット(磁石)。

アルニコとは、アルミニウム、ニッケル、コバルトの合金の略称で、50~60年代のギターアンプやエレキギターのピックアップに使われていました。

 

中低域が豊かなヴィンテージ・サウンドが特徴ですが、許容入力が低いものが多いので注意が必要です。

JENSEN P シリーズ(主に1950年代のフェンダーアンプなどに搭載)や、CELESTION Blue シリーズCELESTION Gold シリーズ(主に60年代のVOXアンプなどに搭載)などが有名です。

JENSEN Pシリーズ:
JENSEN Pシリーズ
CELESTION Blueシリーズ:
CELESTION Blueシリーズ
CELESTION Goldシリーズ:
CELESTION Goldシリーズ

 

✅セラミック(フェライト):
1960年代に開発されたマグネットで、アルニコに比べ、クリアーでヌケの良いサウンドが特徴。

許容入力も高く、価格も安いので手軽に交換でき、おすすめです。

 

JENSEN C シリーズCELESTION G12CELESTION Vintage 30などが有名です。

JENSEN Cシリーズ:
JENSEN Cシリーズ
CELESTION G12 Green Back:
CELESTION G12 Green Back
CELESTION Vintage 30:
CELESTION Vintage 30

 

✅ネオジウム:
近年開発されたマグネットで、非常に強力な磁力を持っています。

そのため、マグネットを小さく出来(軽量)、かつハイパワーであり、許容入力も100W以上のものも多数あります。

 

アンプの重さ=スピーカーの重さでもあるので、持ち運びの多いライブ用のアンプのスピーカーにおすすめ。

CELESTION Neo 250 CopperbackCELESTION Neo Creambackなどが有名です。

CELESTION Neo 250 Copperback:
CELESTION Neo 250 Copperback
CELESTION Neo Creamback:
CELESTION G12 Neo Cream Back

 

許容入力とは

スピーカーには許容入力というものがあります。

許容入力とは、『○○以上入力するとスピーカーが壊れますよ』という目安のこと。W(ワット)で表します。

 

許容入力25wのスピーカーを定格25wのチューブアンプに繋ぐことは可能?

CELESTION G12 Green Back

画像は、人気のスピーカー、CELESTION(セレッション)G12M GREENBACK/グリーンバックですが、このスピーカーの許容入力は25wです。

 

このスピーカーを出力25wのチューブアンプに繋ぐことが出来るか?というと、繋ぐのは可能ですが、壊れる可能性があります。

 

というのも、定格25wのチューブアンプの最大出力はほぼ倍の50w程度になりますので、25wのチューブアンプに載せるアンプとしてはかなり心もとないスピーカーになります。

 

もちろん、スピーカーが飛ぶ許容ギリギリの音が好きという方もいるので、好みとも言えますが、出来れば50wに近い許容入力のスピーカーを選ぶほうが良いと思います。

 

またどうしても、CELESTION(セレッション)G12M GREENBACK/グリーンバックの音が好きという方は、1発で鳴らすことを考えずに、2発や4発搭載したキャビネットを選択する(入力を複数のスピーカーで分散させる)方法もあります。

 

 

インピーダンス( 抵抗値 )

スピーカーにはインピーダンス( 抵抗値 )というのもあります。

お手持ちのギターアンプのインピーダンスが8Ωなら、8Ωのスピーカーを選びましょう。

他に4Ωや16Ωなどがあります。

 

8Ωのギターアンプに16Ωのスピーカーはつなげる?

自宅で使っているギターアンプを、スタジオ練習やライブで使いたいという場合もあるでしょう。

そのまま鳴らす場合は問題ありませんが、ギターアンプにスピーカー出力端子がある場合、例えばスタジオに常設の、マーシャルの1960などの、12x4キャビネットに繋いで鳴らしたい時もあると思います。

 

その場合、アンプ側のインピーダンスより大きな数値(8⇒16Ω)であれば、適正値での使用に比べると、音量が下がりますが繋ぐことは可能ですが、逆に(8⇒4Ω)と小さな数値の場合、アンプ側に負荷がかかり故障の原因にもなりますので注意しましょう。

 

ギターアンプに、以下のようなインピーダンス切り替えスイッチがあれば、選択肢は広がりますね。

Zinkyアンプのスピーカー出力/インピーダンス切り替えスイッチ

12x4のキャビネットにも大抵インピーダンス切り替えのスイッチがあるので適正値での使用がベストです。

 

 

スピーカーの選び方

で、私のギターアンプ、コーネル・ロマニー・プラスです。

コーネル・ロマニーは、フェンダーの人気のヴィンテージアンプ、チャンプ Champ を元に開発されたギターアンプです。

CORNELL ( コーネル ) Romany Plusのスピーカー交換

フェンダーのチャンプは5w程度の小出力、6~8インチ程度の小口径スピーカーが搭載されたプラクティスアンプですが、CORNELL ( コーネル ) Romany Plusは、そんなチャンプアンプのスピーカーを12インチ(Romanyは10インチ)にし、トーン回路をバイパスするスイッチやリバーブ(Plusのみ)を搭載。

 

またマスターボリュームの代わりに出力を10w、1.5w、0.3w、0.05wと切り替え可能なスイッチを搭載し、小音量でもドライブさせやすい便利なチューブアンプです(私のは10w、2w、0.25wの3段階切り替えで、小音量ではドライブさせるのは無理ですが、エフェクターとの相性もよく、使い勝手の良いアンプです)。

 

現在はRomany 10Romany 12に名称変更されています。

CORNELL ( コーネル ) Romany Plusのコントロールパネル

 

Cornell Romany Plusの純正スピーカー

Cornell Romany Plusの純正スピーカーは、12インチ8Ωの Jensen CH1270 というセラミックのスピーカーが搭載されています。

Cornell Romany Plusの純正スピーカーは、8Ωの Jensen CH1270

このスピーカーも悪い音ではないのですが、ハイミッドがややキツく、もう少し太い中域が欲しかったのと、せっかくのフェンダー系アンプなので、もっとヴィンテージライクなスピーカーも試してみたいなと思いました。

 

ヴィンテージライクなスピーカーというと、アルニコマグネットのスピーカーですが、値段が非常に高価であるというのと、ヴィンテージスピーカーとして定評の、JENSEN ( ジェンセン )のサイトのサンプルを聴くと、JENSEN ( ジェンセン ) / C12Nというのが最もよかった。

 

ちなみにCornell Romany Plusに付いているスピーカー Jensen CH1270 は、すでに廃盤?なのだけど、後継は恐らくMod 12-70というモデル。

 

何故ならJENSEN ( ジェンセン )のサイトで聴ける、サンプル音源がCornell Romany Plusの特徴と全く同じ。

 

サンプルサウンド
Mod 12-70は、柔らかな高域が素晴らしいのだけど、中域に迫力がない感じ??クリーンサウンドが分かりやすいですよ

➡ Mod 12-70 Jensen Loudspeakers (セラミック/フェライト)

 

対してヴィンテージ系のC12Nは似たような音色ながら、艷やかで中域も力強い

➡ C12N Jensen Loudspeakers (セラミック/フェライト)

 

アルニコ・マグネットのP12Nは、低域~中域にかけての力強さは素晴らしいものの、高域の張りが今ひとつ。

プレーン弦の5~12フレット辺りのペチ~ンという艶やかな音とピックの食いつきが弱そう。

➡ P12N Jensen Loudspeakers (アルニコ)

 

 

JENSEN ( ジェンセン ) のヴィンテージ系スピーカーの種類

JENSEN ( ジェンセン ) のヴィンテージ系スピーカーは大きく分けて2種類。

 

50年代のツイード系アンプの時代に採用された、アルニコ・マグネットの Pシリーズと、60年代のブラックフェイス時代に採用された、セラミック/フェライト・マグネットの Cシリーズ

JENSEN Pシリーズ
JENSEN Pシリーズ

JENSEN Cシリーズ
JENSEN Cシリーズ

P12Nとか、C12Nの数字は口径(インチ)で、末尾のアルファベットは許容入力を表していて、R、Q、N、Kの順に許容入力が大きくなります。

 

例えば、候補に上がっている、JENSEN ( ジェンセン ) / C12Nは許容入力50w、C12Kは100wになります。

 

たかだか定格10wのチューブアンプにどうして50wのスピーカーを・・・というと、チューブアンプの場合、ボリュームを上げると、およそ倍の出力になるというのと、マグネットが大きい(許容入力が大きい)ほうが音が大きくなるという特性があるから。

 

では、なぜ100wのC12Kにしないかというと、マグネットが重く、重量UPはNGだし、マグネットが大きくなると、弊害として高域が弱くなるらしいです。

 

これを頭に入れて JENSEN ( ジェンセン ) のサイトのサンプルを聴くと非常に面白い。

マグネット(許容入力)の小さいスピーカーはやはり低域が弱く、高域が綺麗ですね。このアンプは10wと小さいので、大きな音の出るスピーカーの方が何かと都合が良いと判断しましたが、ロマニー・プラスのキャビネットにはどれがバランス良いのでしょう??>こればかりは実際に入れてみないと・・・

 

さらにスピーカーに関する知識がないので、こういったインタビュー記事も非常に参考になります。

ロマニーの設計者、デニスコーネルのインタビュー記事です。

もし“これこそフェンダーアンプだ”といった、もっとクールでクリスピーなサウンドを望むなら、ジャンセンスピーカーを使うといい。 また、もっとブリティッシュなミドルがきいたサウンドで、オーバードライブを効かせたはじけるようなサウンドを好むなら、セレションスピーカーをお勧めする。

このロマニーには、”クールでクリスピーなサウンド”が欲しいので、CELESTION ( セレッション )ではなく、JENSEN ( ジェンセン ) / C12N に決めました。

JENSEN C12NをCornell Romanyに載せることに決めました

 

スピーカーコーンの違い

スピーカーコーンの材質はどちらも紙のようですが、Jensen CH1270は、モダンなモデルらしく繋ぎ目のないコーン紙。

Jensen CH1270のスピーカーコーン
Jensen CH1270のスピーカーコーン

Jensen C12Nは昔のモデルらしく、接着面が見えます。
Jensen C12Nのスピーカーコーン
Jensen C12Nのスピーカーコーン

 

 

スピーカーの交換 (取り外し・組み込み)

バックパネルと真空管を外せばいけるか?と思ったのですが、コーネルアンプの場合、ユニットを全て降ろさないとスピーカーを取り出すことが出来ませんでした。

 

ユニットの外し方:

以下はコーネルアンプの例ですが、大抵のコンボアンプの外し方は同じだと思います。

 

※ユニットの取り外しは感電の恐れがありますので必ず電源コンセントを抜いてから行いましょう。また、電源コンセントを外してもしばらくは蓄電している可能性もありますので、絶縁手袋をはめての作業が確実です。

 

ちなみにコントロールパネルが前面にある、↓のようなアンプは上部にネジがあります。

バックパネルは6本のネジを外します。
ギターアンプ バックパネルの外し方

今回は写真撮影用にバラしただけなので、スピーカーは交換後のC12Nが付いています。
ギターアンプ バックパネルの外し方2

次にシャーシを外す作業です。

シャーシは天版に吊られているので、天板のビスを緩めます。

コンボアンプのシャーシの外し方
コンボアンプのシャーシの外し方2

アンプシャーシーが外れました。
アンプシャーシーが外れました

安全のため、真空管は外してから作業を行ったほうが良いでしょう。

 

スピーカーの取り外し・取り付け

Cornell Romany Plusの場合、スピーカーはバッフルボードに六角穴付きボルトで固定されていました。

スピーカーの取り外し・取り付け

アンプによっては、普通の+ネジや
スピーカー固定のネジ

フェンダーアンプなどに多いのは、バッフルボードからネジが飛び出していて、ナットで固定するというタイプもあります。
フェンダーアンプに多いナット固定タイプ
六角ナットで取り付けるタイプは、ソケットレンチが便利です。

まれにネジが長いものもあるので、ロングタイプ(ディープ ソケット)も用意しておくと便利です。


✅六角レンチセット:

六角レンチセット

 

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✅ソケットレンチセット:

ソケットレンチセット

 

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スピーカーを外せれば、取り付けは簡単ですね。

注意
スピーカーには+プラスと-マイナスがあり、スピーカー自体に表記されていますので、ケーブルを外す前にかならずケーブルの色がどちらに繋がっているか、メモを取るか写真を撮っておきましょう。

+-が逆でも音は出ますが、接続を間違えると迫力のない音になってしまいます。

スピーカーの極性+-

スピーカーの極性は乾電池でも判別可能です。

プラスとマイナスでは音の押し出しが逆になるので、間違えると音に迫力がなくなってしまいます。

スピーカー極性の見分け方 +-判別方法

 https://www.youtube.com/watch?v=dLMKzhNkFBc

スピーカーの出力端子がこのようにジャック式になっているアンプの場合、+-は間違えにくいですね。
スピーカーの出力端子がこのようにジャック式になっているアンプの場合

 

スピーカーケーブルの取り付け

スピーカーの接続端子は写真のような平型端子が一般的です。

スピーカーの接続端子は写真のような平型端子が一般的

スピーカーとスピーカーケーブルの接続は、写真のようにハンダで固定されているタイプや、ファストン端子のメスで取り付けられているタイプもあります。

ファストン端子

ファストン端子の場合は、そのまま交換できますが、力をかけすぎてしまうと平型端子が変形したり、場合にとっては欠けてしまう場合がありますの慎重に行いましょう。

ハンダ付けの場合は別途ハンダゴテが必要です。


✅ハンダコテセット:

はんだごてセット

 

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装着完了!
ギターアンプのスピーカー交換終了
新しいスピーカーは、エージングといって、車の慣らし運転のようなものが必要です。

いきなり大きな音は出そうとせずに、しばらく様子を見ましょう。

すると、硬かった音が徐々に柔らかく、高域も伸びやかになってくるのがわかると思います。

 

 

JENSEN C12N に交換してみて

Cornell Romany Plusのスピーカーを、JENSEN ( ジェンセン ) / C12N に交換してみてどうなったかレビューしてみたいと思います。

好みの音色になった

艶やかな高域はそのままに、豊かなローミッドが加わり、上で紹介したサンプル音源そのままで、私の理想としていたサウンドになりました。

 

TREBLEとBASSのフルテンで、大好きなデラックスリバーブっぽいキラキラ、ツヤツヤのサウンドも、よりカッコよく鳴ってくれるようになったかな?と思います。

 

音が大きくなった

ローミッドが豊かになったからでしょうか?スピーカーの能率がUPしたのでしょうか??元のJensen CH1270も許容入力70wと大きいのに、聴感上かなりの音量UPです。

 

10wのアンプなので音量UPは大歓迎で、まさに狙い通り(^^)。

ただし自宅では少々音量のコントロールが難しくなったかな??許容入力35wのC12Qでも良かったかも?(^^ゞ

 

小さなアンプを使っていて、音量が足りないという方は、スピーカー交換を検討してみると良いかも。

※JENSEN ( ジェンセン )のヴィンテージ系スピーカーは、末尾のアルファベットが許容入力を表していて、R、Q、N、Kの順に許容入力が大きくなります。

 

色々試したくなります(^^)。

 

重くなった

唯一の欠点としては、少々重くなりました(^_^;)。

アンプの重量=スピーカーの重さというのを実感しましたね。

 

最近は小さなマグネットでハイパワーだという、ネオジウムのスピーカーが人気だというのもうなずける気がします。

 

 

JENSEN ( ジェンセン ) / C12N は、60’sのフェンダー系サウンドを狙うにはおすすめのスピーカーですね。

 

JENSEN C12Nはこちらで購入できます

JENSEN Cシリーズ

 

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追記:

最近はほぼ自宅でしか使わないこのアンプ、やはり音がでかすぎるので許容入力25Wの今度はアルニコスピーカーP12Rに交換しました。

おすすめ記事

以下は、ギターアンプ用スピーカー、ケーブル、コネクタの紹介ページです。

 

JENSEN ( ジェンセン )はもちろん、CELESTION ( セレッション )やEMINENCE ( エミネンス )と言ったスピーカを口径別に紹介しています。

 

ユーチューブで見つけた、ギターアンプ用スピーカー聴き比べ動画も貼っておきました。

スピーカー選びの参考になりますよ。