初心者必見!エフェクターの基礎知識
エフェクターの種類や接続法、使い方を分かりやすく解説しています。これからエフェクター買おうとしている初心者は、まずこの記事からチェック!!
エフェクターとは
エフェクターとは、ギターやベースの音にエフェクト(効果)を与えるための装置です。他に、エフェクツペダル、またはストンプボックスとも呼ばれることがあり、音楽ジャンルや演奏スタイルに応じた幅広い効果を楽しむことができます。
エフェクターの種類
エフェクターは、大きく以下のカテゴリに分けられます。それぞれが異なる効果を持ち、音作りの幅を広げるために活用されます。
ダイナミクス/フィルター系
音を整えたり、特定の周波数を強調するためのエフェクターです。
- コンプレッサー/リミッター:音量のバランスを整え、一定の音量を保ちます。
- イコライザー:音域(低音・中音・高音)を調整します。
- ワウペダル:特定の周波数を可変させ、「ワウワウ」という独特のサウンドを作ります。
歪み系
ギターの音を歪ませるためのエフェクターです。
- オーバードライブ:チューブアンプのようなナチュラルな歪みを再現します。
- ディストーション:より強い歪みで、ヘヴィなサウンドを生み出します。
- ファズ:独特のざらつき感を持つヴィンテージな歪みが特徴です。
モジュレーション系
音に揺れや広がりを与え、立体的なサウンドを作るエフェクターです。
- コーラス:音に広がりと揺らぎを与え、厚みを加えます。
- フェイザー:音に位相を変えた音をプラスし、独特の揺れやうねりを生み出します。
- フランジャー:音に金属的なうねりを加えます。
- トレモロ:音量を周期的に変化させます。
空間系
音にやまびこ(反響)効果や、残響効果を与えるためのエフェクターです。
その他のエフェクター
- マルチエフェクター:複数のエフェクトを1台で使える便利なエフェクターです。
- アンプシミュレーター:有名なギターアンプの音色をラインレベルで再現します。
それでは個々のエフェクターを詳しく見てみてみましょう。
各エフェクターの説明
コンプレッサー/ Compressor
コンプレッサーは、信号を圧縮し、音量のバラつきを抑えることで、均一で安定したサウンドを作り出すためのエフェクターです。特に、サステインを増加させる効果があるため、音が長く伸びる滑らかなサウンドを実現します。
レベルを上げてブースターとして使うことも出来ます。
[動画]
YouTube | Compressor guitar (動画)
代表的なモデル:
- MXR Dyna Comp
- BOSS CS-3
イコライザー / Equalizer
イコライザーは、特定の周波数帯域を強調(ブースト)したり、減衰(カット)したりすることで、音のバランスを調整するためのエフェクターです。ギターやベースの音作りにおいて、個性を引き出したり、バンド内で埋もれないサウンドを作り出すのに役立ちます。
[動画]
YouTube | Equalizer guitar (動画)
代表的なモデル:
- BOSS GE-7
- MXR 10 BAND GRAPHIC EQ
ワウ/オートワウ / Wah
ワウとは、ペダルを上下に踏み込むことでトーンを変化させ、「ワウワウ」という効果音を生み出すエフェクターです。名前の由来もこの音からきています。
1960年代に登場し、ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンなど、数多くの伝説的ギタリストが使用したことで、定番エフェクターとなりました。ロック、ファンク、ブルースなど、幅広いジャンルで愛用されています。
[動画]
YouTube | Wah guitar (動画)
代表的なモデル:
- VOX V847-A
- JIM DUNLOP GCB-95
ファズ / Fuzz
ファズとは、ギターの歪み系エフェクターの中でも最も古いもので、1960年代中盤に登場しました。その特徴的な音は、ローリング・ストーンズの「サティスファクション」のイントロや、ジミ・ヘンドリックスの「パープル・ヘイズ」で聞くことができます。
特徴:
ファズは、後発のオーバードライブやディストーションよりも激しく歪み、「ブリブリ」とした古臭い独特の音色を持っています。しかし、この独特な歪みも、実はギターのボリュームコントロールすることで、繊細で艶やかなクリーンやクランチトーンも得られるという奥深さを持っています。
[動画]
YouTube | Fuzz guitar (動画)
代表的なモデル:
- Jim Dunlop FUZZ FACE
- ELECTRO-HARMONIX BIG MUFF
ディストーション / Distortion
ディストーションとは、1970年代中盤に登場した歪み系エフェクターの一つで、ファズのような過激な歪みよりも、アンプの自然な歪みに近い音色が特徴のエフェクターです。
ファズが極端な波形クリッピングによる荒々しい歪みなのに対し、ディストーションはより整った波形で、音の分離感が良いのが特徴です。そのため、コードを弾いても音が埋もれにくく、演奏のニュアンスを保ちながらパワフルなサウンドが得られます。
[動画]
YouTube | Distortion guitar (動画)
代表的なモデル:
- MXR DISTORTION+
- BOSS DS-1
- PROCO RAT
オーバードライブ / Overdrive
オーバードライブは、1970年代後半に登場したエフェクターで、歪みの強さは比較的弱めですが、歪みの質感は非常にナチュラルで、真空管アンプが飽和したようなナチュラルな歪みが特徴です。
[動画]
YouTube | Overdrive guitar (動画)
代表的なモデル:
- BOSS SD-1
- IBANEZ TS808、TS9
コーラス / Chorus
コーラスとは、音に広がりと厚みを加えるエフェクターです。特に音の厚みや立体感を強調したい時に有効です。ステレオ対応のコーラスを使い、左右のアンプで鳴らすと、さらに音に広がりが増し、魅力的なサウンドを作り出すことができます。
[動画]
YouTube | Chorus guitar (動画)
代表的なモデル:
- BOSS CE-2W
- ELECTRO-HARMONIX SMALL CLONE
フェイザー / Phaser
フェイザーとは、原音に位相を変えた音をミックスすることで、独特の音の揺れやうねりを生み出すギターエフェクターで、「フェイズシフター」とも呼ばれます。このエフェクターは、スピーカーのホーンを回転させるレスリースピーカー(ロータリースピーカー)の効果を電気的に再現したものとも言えます。
[動画]
YouTube | Phaser guitar (動画)
代表的なモデル:
- MXR Phase 90
フランジャー / Flanger
フランジャーは、オープンリールテープの回転を遅らせて生まれるフランジング現象を電気的に再現したエフェクターです。この効果により、音に独特の金属的な揺らぎや、ジェットサウンドと呼ばれる特殊な効果が得られます。
フランジャーはギターはもちろん、ドラムのシンバルにかけたりすることもあります。
[動画]
YouTube | Flanger guitar (動画)
代表的なモデル:
- MXR M-117
- ELECTRO-HARMONIX DELUXE ELECTRIC MISTRESS
トレモロ/ Tremolo
トレモロは、テンポに合わせて音量を上下させるエフェクターです。フェンダーのアンプに搭載されたトレモロや、ジミ・ヘンドリックスが愛用したコーラスのような揺らぎを持ったユニバイブなどが有名です。
最近では、スイッチを踏むことで瞬時にテンポを変更できるタップテンポ機能を搭載したモデルが増えており大変便利です。
[動画]
YouTube | Tremolo guitar (動画)
代表的なモデル:
- BOSS TR-2
- ROGER MAYER Voodoo-Vibe
- FULLTONE Deja Vibe
ディレイ / Delay
ディレイとは、原音に遅れた音を加えて、山びこのような効果を生み出すエフェクターです。デジタルタイプは原音に忠実なディレイサウンドが特徴で、アナログタイプ(テープエコーなど)は柔らかで温かみのあるディレイサウンドが特徴です。
ステレオ出力を利用することで、さらに効果的に広がりを得ることが出来ます。
また、最近のモデルでは、スイッチを踏むことでリズムに合わせて瞬時にテンポを変更できるタップテンポ機能も搭載されており、より便利になっています。
[動画]
YouTube | Delay guitar (動画)
代表的なモデル:
- JIM DUNLOP EP103 Echoplex Delay
- BOSS DD-8
リバーブ / Reverb
リバーブは、原音に残響を加えて、まるでホールで演奏しているかのような広がりと深みを与えるエフェクターです。ギタリストには、フェンダーアンプでおなじみのスプリングリバーブでおなじみで、そのスプリングリバーブを再現したモデルも多数発売されています。
[動画]
YouTube | Reverb guitar (動画)
代表的なモデル:
- BOSS RV-6
- ELECTRO-HARMONIX Holy Grail
マルチエフェクター / Multi Effects
マルチエフェクターとは、歪み、ディレイ、リバーブ、コーラスなどの複数のエフェクターが入った便利なエフェクターです。エフェクターを買い揃える必要がなく、マルチエフェクター一台で音作りが完成するためにとても便利です。
[動画]
YouTube | Multi Effects guitar (動画)
代表的なモデル:
- BOSS、LINE6、ZOOMなど各社から発売されています。
エフェクターのつなぎ方
エフェクターのつなぎ方に決まりはありませんが、以下のように繋ぐのが基本です
ギター
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ダイナミクス/フィルター系(コンプ、ワウ、EQなど)
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歪み系(オーバードライブ、ディストーションなど)
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モジュレーション系(コーラス、フランジャーなど)
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空間系(ディレイ、リバーブなど)
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アンプ
ダイナミクス/フィルター系(コンプレッサーやワウ、イコライザーなど)は、信号を整える役割があるため最初に置くことが多く、歪み系(オーバードライブやディストーション)をその後に繋ぐと、音の歪みが良い具合に乗ります。
モジュレーション系(コーラスやフランジャーなど)は、歪みを加えた後に効果をかけることで、より立体的で深みのある音を作りやすくなります。
最後に空間系(ディレイやリバーブなど)を加えることで、音に広がりや残響を与えます。
エフェクトループ (センド/リターン)とは
一部のギターアンプにはエフェクトループという回路が装備されています。
エフェクトループの説明の前に、アンプの信号の流れをみてみましょう。
ギターの信号はまずトーンや歪みなどの音質を作るプリアンプを通り、パワーアンプで音を増幅してからスピーカーへ送られます。
エフェクターは通常、ギターとアンプの間に繋ぎますがアンプで歪みを作る人の場合、アンプの前にディレイやリバーブなどの空間系エフェクターを置いてしまうとディレイ音や残響音がアンプの歪みによって濁ってしまいます。
エフェクトループとは、アンプのプリアンプを通った後の音声信号を取り出せるようにした回路のことで、ここにディレイやリバーブなどの空間系エフェクターをつなぎ、パワーアンプの手前に信号を戻すことで、ディレイやリバーブの音が濁らずキレイにかけることが出来るようになります。
※厳密に言うとチューブアンプはボリュームを上げることでパワーアンプでも歪みます。
エフェクトループ端子のない時代はそのように繋いでいましたので悪いわけではありませんが、その方が空間系エフェクターがキレイにかかるということです。
レコーディングなどでは、スピーカーの前に立てたマイクで拾った音やラインで送った音に空間系エフェクターをかけることが出来るので必須というわけではありませんが、エフェクトループがあると特にライブでは非常に便利です。
※エフェクトループに接続できるエフェクターは、主にローインピーダンスのエフェクターです。詳しくはアンプやエフェクターのマニュアルを参照してください。
参考:ギターアンプの「センド&リターン端子」とは? 徹底解説・応用編 _ アンブレラカンパニー
4ケーブルメソッド接続
マルチエフェクターで歪みから空間系まですべてを賄う場合は問題ありませんが、アンプの歪みを利用する場合、やはりマルチエフェクターで作ったディレイ音やリバーブ音が濁ってしまうことになります。
近年のマルチエフェクターにはギターアンプ同様にエフェクトループを搭載したものも多く、マルチエフェクターの信号を途中で抜き出すことが出来るようになっています。
4ケーブルメソッド接続の方法は、以下のとおりです。
このように接続することで、空間系以外のエフェクターはアンプの前に、空間系エフェクターはプリアンプの後ろ(パワーアンプの前)へ接続されることになるので最も理想的な接続方法になります。
このような接続をしたい方は、アンプ側とマルチエフェクター側にエフェクトループが必要になります。
トゥルーバイパスとループセレクター
トゥルーバイパスとは、エフェクトオフ時の音痩せを防ぐためのスイッチが搭載されたエフェクターのことです。特に、電子スイッチを使用したエフェクターや旧式のペダルなどは、音が劣化することがありますが、トゥルーバイパス式のエフェクターは、エフェクトがOFF時に信号が回路から完全に切り離されるので理論上音質劣化がなくなります。
エフェクターを常時にオンにしている場合は問題ありませんが、エフェクトOFF時の音質にもこだわりたい方はトゥルーバイパス式のエフェクターを選びましょう。
※電子スイッチを採用しているエフェクターには、音質劣化を防ぐためにバッファーが内蔵されていることが多いですが、質の良くないバッファーが使われている場合、逆に音質が劣化してしまうことがあります。
※トゥルーバイパス式のエフェクターでもエフェクターをたくさん繋いだり、長いシールドケーブルなどを使うことで劣化します。
ループセレクター
もし、トゥルーバイパスでないお気に入りのエフェクターお持ちの場合は、トゥルーバイパスに改造するのは現実的ではありませんので、ループセレクターが簡単です。
ループセレクターを導入することで、使わないエフェクターをスイッチ1つでバイパスできるので、エフェクトOFF時の音質劣化を防ぐことができます(その場合はシールドケーブルにもこだわりましょう)。
ループセレクターは、エフェクターをたくさん繋ぐ場合や、アンプ直の音質にこだわりたい方に場合におすすめの機器です。
ワンアクションで使用するエフェクターの組み合わせを切り替えたいときは、プログラマブルスイッチャーが便利です。
ループセレクター/プログラマブルスイッチャーはこちらでチェック!
バッファーについて
EMGピックアップなどを搭載した一部のギターを除き、通常のエレキギターはハイインピーダンスの信号を出力します。ハイインピーダンスの信号はノイズに弱く、長いケーブルを使用したり、エフェクターをたくさん接続したりすると、音が細くなったり、こもったりする場合があります。
そこで登場するのがバッファーです。バッファーは、ハイインピーダンス信号をローインピーダンスに変換することで、ノイズを軽減し、音の劣化を防ぐことができます。また、バッファーの多くはブースト機能を備えており、音質を補正するだけでなく、サウンドを太く、大きくすることも可能です。
特にエフェクターをたくさん繋ぐ人にとっては、地味ながら非常に重要なペダルです。
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