ギターアンプ用スピーカーの選び方

ギターアンプ用スピーカーの選び方

ギターアンプ用スピーカー選びは、音作りにおいて非常に重要な要素です。この記事では、スピーカー選びの基本から、アルニコとセラミックの違い、さらには CELESTION、EMINENCE、JENSENのおすすめのスピーカーブランドまでを徹底解説します。自分の理想の音にぴったり合ったスピーカーを見つけるために、まずはここから始めましょう!

ギターアンプ用スピーカーの選び方


この記事はギター改造歴25年の Tsune@TGプランニング が執筆・監修しています。

スピーカーの選び方

音質を大きく変える最も簡単な方法の一つが、スピーカーの交換です。スピーカー選びでは、口径、マグネットの種類、インピーダンスΩ、許容入力、奥行き、重量など、さまざまな要素を考慮する必要があります。特に、ライブ演奏などで運搬する場合は、重量や耐久性も重要なポイントです。

マグネットの種類と特徴

アルニコマグネット
アルニコは、アルミニウム、ニッケル、コバルトの合金から作られたマグネットです。1950~60年代のギターアンプやピックアップに使用され、豊かな中低域の泥臭くダークでガキン!とした音が特徴で、ヴィンテージ系のギターアンプのリプレイス用におすすめです。ただし、アルニコは許容入力が低いものが多いため、高出力のアンプを使用する場合は注意が必要です。

価格もやや高めです。

代表的なモデル
JENSEN Pシリーズ
CELESTION BLUE、GOLDシリーズ
EMINENCE EJ-1240 など

 

セラミック(フェライト)マグネット
セラミック(フェライト)マグネットは、1960年代以降多くのアンプに搭載されました。アルニコに比べ、高域の伸びとクリアでヌケの良いサウンドが特徴で、特に歪みサウンドとの相性が抜群です。また、許容入力が高いものも多く、大出力のアンプにも向いています。価格も手頃で、コストパフォーマンスに優れているため、幅広いギタリストに支持されています。

代表的なモデル
JENSEN Cシリーズ
CELESTION G12、Vintage 30
EMINENCE CV-75 など

 

ネオジウムマグネット
ネオジウムは非常に強力な磁石で、軽量ながら高い出力性能を発揮します。そのため、持ち運びが多いライブ用アンプなど小型軽量化が求められる場面に最適です。ネオジウムマグネットを使用したスピーカーは、100W以上の許容入力を持つモデルが多く、1台でも十分な音量と音質を確保できるため、シンプルなセットアップを求める方におすすめです。

代表的なモデル
CELESTION Neo 250 Copperback、Neo Creamback
EMINENCE LIL TEXAS、TONKERLITE など

 

許容入力

スピーカーには「許容入力」というものがあります。これは、スピーカーが耐えられる最大入力を示す指標で、過度の入力が加わるとスピーカーが破損する原因となります(俗に「スピーカーが飛ぶ」とも呼ばれます)。

チューブアンプの場合、例えば10Wのアンプでもフルアップにすると最大出力は約20Wに達します。このため、スピーカーの許容入力には1.5~2倍程度の余裕を持たせることが推奨されます。これにより、アンプの最大出力に近づいた場合でもスピーカーを安全に使用できます。

また、許容入力が大きい(同じモデルならマグネットが大きい)スピーカーは音量も大きくなる特性がありまので、量に不満を感じている場合、許容入力の大きいスピーカーを選ぶと良いでしょう。ただし、大きすぎるスピーカーは高域特性が悪くなる傾向があるため、適切なバランスが重要です。また、許容入力が大きいスピーカーは重量も増すため、持ち運びに不便さを感じる場合があります。

インピーダンス

スピーカーには「インピーダンス」というものもあります。アンプとスピーカーを接続する際は、インピーダンスをよく確認しましょう。基本はおなじインピーダンスのものに交換しますが。例外として、アンプが8Ωで、スピーカーが16Ωの場合、接続は可能ですが、音量は低くなります。逆に、アンプが8Ωでスピーカーが4Ωの場合、アンプ側に過負荷がかかり、最悪の場合、アンプが故障する可能性がありますので注意が必要です。

複数のスピーカーを接続する場合、接続方法によってインピーダンスを変更することができます。接続方法によるインピーダンスの変化については以下の図が参考になります。

参考
エミネンスのサイト Eminence Speaker – Wiring Diagrams より~

スピーカーを複数ある場合は、つなぎ方によってインピーダンスを変えることが出来ます

スピーカー交換してみよう

ギターアンプ用スピーカー聴き比べ!アルニコvsセラミック

ユーチューブで見つけた、ギターアンプ用スピーカー聴き比べ動画です。スピーカー選びの参考になりますよ。まずはじめにアルニコマグネットのスピーカーとセラミックマグネットの比較(ブラインドテスト)です。

あなたは分かりますか?日本語字幕をONにして見てみてください。

ALNICO VS CERAMIC Blind Test – Which Speaker Sounds the Best??:

ALNICO VS CERAMIC Blind Test - Which Speaker Sounds the Best??

アルニコとセラミックの違いは特にクリーンは違いがはっきり分かりますね。アルニコはギターの音1つ1つが粒立ってよく聞こえる印象ですが、セラミックは音が平坦に感じます。

しかし歪みサウンドになると、アルニコの音の粒立ちの良さが邪魔になってしまい音が硬く感じますが、セラミックはクリーンでは平坦だった音が逆に滑らかさとなって再生されている印象を受けます。

 

▼こちらの動画は、純正のJENSENのCシリーズ(セラミック)と、CELESTIONのクリーンバック(セラミック)とCELESTIONのアルニコブルー(アルニコ)との比較動画です。

CELESTION G12M GREENBACKCELESTION BLUE

The BEST Way To Improve Your Amp’s Sound || Celestion Alnico Blue vs. Greenback:

The BEST Way To Improve Your Amp's Sound || Celestion Alnico Blue vs. Greenback

上の動画でも感じましたが、やはりクリーン~クランチの泥臭さと力強さはアルニコ、歪みはセラミックですね、特にグリーンバックは最高です!

このようにどのようなジャンルの音楽を演奏するかによってスピーカーの選び方は変わってきますので、スピーカー選びは慎重に行いましょう。

おすすめのスピーカーブランド①:CELESTION ( セレッション )

CELESTION スピーカー
CELESTION ( セレッション )は、英国🇬🇧を代表するスピーカーブランドです。マーシャルアンプやVOXアンプに搭載され、今も人気ナンバーワンのスピーカブランドです。

ヴィンテージ系なら、G12M GREENBACK/CREAMBACK、モダンなサウンドならVINTAGE 30が人気です
CELESTION ( セレッション ) スピーカー一覧

おすすめのスピーカーブランド②:EMINENCE ( エミネンス )

EMINENCE スピーカー
EMINENCE ( エミネンス )は、フェンダーを始め多くのアンプブランドが採用しているブランドです。

アメリカンサウンド🇺🇸はパトリオット(青)、ブリティッシュサウンド🇬🇧(セレッション系?)はレッドコート(赤)とラベルのカラーで分類されているので分かりやすいです。

価格もお手頃ではじめての方にもおすすめです。
EMINENCE ( エミネンス ) スピーカー一覧

おすすめのスピーカーブランド③:JENSEN ( ジェンセン )


JENSEN ( ジェンセン )は、古くからギターアンプに搭載されている老舗中の老舗ブランドです。フェンダーのヴィンテージ・サウンドを狙うならジェンセンがおすすめです。

50年代のツイード系サウンドならJENSEN P(アルニコマグネット)シリーズ、60年代のブラックフェイス系サウンドならJENSEN C(セラミック/フェライトマグネット)シリーズが良いと思います。

※末尾のアルファベット(R=25W、Q=35W、N=50W、K=100W)順に許容入力が大きくなります
JENSEN ( ジェンセン ) スピーカー一覧

スピーカー交換について

スピーカー

Posted by Tsune