定番から今注目の最新モデルまで | チューブアンプ用アッテネーター・ロードボックス

チューブアンプは音量を上げることで本来のサウンドが引き出されますが、大きな音が出せない環境ではその魅力は半減してしまいます。そこで役立つのがアッテネーターやロードボックス、リアクティブロードです。これらの機器を使えば、音量を調整しながらチューブアンプの極上のサウンドを楽しめるだけでなく、レコーディングにも活用できます。本記事では、それぞれの機器の特徴とおすすめ製品を紹介しています。
アッテネーター / ダミーロード / ロードボックス / リアクティブロードとは
チューブアンプはボリュームを適度に上げたときの音が良いとされていますが、多くの環境ではなかなか実用的ではありません。特に自宅でもお気に入りのチューブアンプを鳴らしたい方にとっては難しい面があります。
そこでおすすめなのがアッテネーターやロードボックス、リアクティブロードなどの機器です。
アッテネーター
アッテネーターとは、チューブアンプのボリュームを上げたときのサウンドはそのままに音量だけを下げるための機器のことです。特に自宅練習や、小さなライブ会場、音量制限のあるスタジオ環境など音量を思うようにあげられない環境ではアッテネーターがあると便利です。
【店主トーク】SNSで聞いてみた。大出力アンプ、どう自宅で弾くの?機材解説とアンケート結果【当店独自調査】:
※チューブアンプの音は、パワー管の歪み以外にもアンプの箱鳴りやスピーカーコーンの振動などが含まれますので、厳密には同じ音にはなりませんが、アッテネーターを使うことで自宅などでもそれに近い体験ができます。
※アッテネーターはアンプとスピーカー(キャビネット)の間に接続しますので、アンプ側のスピーカー端子がジャック式である必要があります(どうしても使いたい場合は専門店に改造を依頼しましょう)。
※スピーカーのインピーダンス(Ω)は必ず合わせましょう。
※接続は必ずスピーカーケーブルを使用しましょう(シールドケーブルではありません)。
ダミーロード / ロードボックス
ダミーロードとは、チューブアンプのスピーカーアウトに接続し、スピーカーに音を送ることなく、アンプの出力信号を消費することで、アンプを適切に負荷する役割を果たします。スピーカーが接続されていないとチューブアンプは故障することがあるため、ダミーロードはそのリスクを回避するために使用されます。
ロードボックスは、ダミーロードにラインアウトを備えた機器のことで、スピーカーを鳴らさずにチューブアンプの音をオーディオインターフェースやミキサーに送り、モニタリングやレコーディングすることが出来ます。
ロードボックスには、ラインアウトに加えスピーカー出力を搭載しているモデルもあり、ライン出力と同時にスピーカーキャビネットを鳴らすこともできます(アッテネーターとしても使用可能)。
リアクティブロード
リアクティブロードはロードボックスの一種ですが、音量を絞るだけのアッテネーターとは異なり、スピーカーのインピーダンス変化などの特性を再現し、アンプの動作をより自然に近づけるよう設計された機器です。これにより、アンプの音色や特性を忠実に保ちながら、小音量でもよりリアルで自然な音を得ることが可能です。
さらに、近年ではデジタル技術を活かした「IR(インパルスレスポンス)」対応のキャビネットシミュレーターを搭載したモデルが増えており、ダイレクトレコーディングにおいても、デジタル技術によるスピーカーキャビネットの特性を忠実に再現した高品質な音作りが可能です。特に、IR対応のリアクティブロードは、幅広いキャビネットやマイクのシミュレーションを選べるため、音作りの自由度が大幅に向上しています。
このような機能を持つリアクティブロードは、プロのギタリストやレコーディングエンジニアだけでなく、家庭での使用にも最適な選択肢となっています。
▼ギターアンプを介さないアンプシミュレーター/キャビネットシミュレーターはこちらで紹介しています。
おすすめのアッテネーター、ロードボックス / リアクティブロードはこちらから。
おすすめアッテネーター・ロードボックス
BUGERA PS1
アッテネーター
Bugera PS1アッテネーターは、シンプルながら非常に便利なギターアンプ用のアッテネーターです。
複数のインピーダンス対応:
PS1アッテネーターは、4Ω、8Ω、16Ωのスピーカーキャビネットのインピーダンスに対応しています。
最大100W出力対応:
PS1は最大100Wのアンプ出力に対応しており、高出力のアンプでも使用できます。
EMULATED MICバランスXLR出力:
PS1アッテネーターには、マイクをスピーカーキャビネットの前方に設置した状態の音をシミュレーションしたEMULATED MICバランスXLR出力が搭載されています。
※ロード機能は搭載されておりませんのでご使用の際は必ずスピーカーキャビネットをご接続ください。
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YouTube – BUGERA PS1 (動画)
$100 Attenuator vs $500 Attenuator:

お手頃価格のアッテネーターならこれ!▲の動画はRIVERAのアッテネーターとの比較ですがいかがでしょう。
最後にラインでの比較もありますが私はBUGERA PS1の方が好きですね。
CREWS GB-VI
アッテネーター ロードボックス
CREWS GB-VIは、出力150W、8Ωおよび16Ωのチューブアンプに使用できるパワーアッテネーターです。
接続した瞬間から出力を50%ダウン:
GB-VIは、アンプに接続した瞬間から出力を50%減少させ、アンプの出力を制御します。
例えば、100Wのアンプを接続すると、出力は約50W前後になります。さらにフロントパネルに出力をさらに減衰するためのツマミを操作することで、出力を0まで減少させることができます。
ヘッドホンアウト:
GB-VIにはヘッドホンアウトが搭載されており、ヘッドホンを接続しての練習も可能です。
ラインアウト:
ラインアウトも備えられており、録音やライブ演奏において、アンプのサウンドをミキサーや録音機器に送ることができます(キャビネットシミュレーター未搭載)。
ダミーロードとしての使用可能:
GB-VIはダミーロードとしても使用可能で、スピーカーキャビネットを接続せずにアンプを使用できます。
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YouTube – CREWS GB-VI(動画)
SPL Reducer
アッテネーター
SPL Reducerは、SPL(Sound Performance Lab)とアンプスペシャリストTonehunterの共同開発によるパッシブタイプのパワーソーク(アッテネーター)です。
インピーダンス:
SPL Reducerは、アンプの出力インピーダンス 4Ω、8Ω、16Ωに対応しています(手動)。
Reducerの使い方:
まず、左側のつまみを使用して希望する減衰レベルを設定します。
次に中央のボリュームノブで音量を無段階で調整します。
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Reducer: A/B – Test:

ロードボックス等は未搭載のシンプルなアッテネーターですが、サウンドハウスさんのユーザーレビューを見ると”音質変化がない”とかなりの高評価。
上の動画でも音質変化はほとんど感じません👍
BOSS WAZA Tube Amp Expander
アッテネーター ロードボックス リアクティブロード キャビネットシミュレーション マイキングシミュレーション パワーアンプ


WAZA Tube Amp Expander:
BOSS WAZA Tube Amp Expanderは、真空管アンプをフルアップした特のサウンドはそのままに音量だけを下げる事のできるアッテネーター機能、レコーディングに便利なダミーロード+22種類のキャビネット・シミュレーション(IR対応)、マイキングシミュレーターを搭載した機器です。
エフェクト機能:
WAZA Tube Amp Expanderにはコンプレッサー2種類、ディレイ5種類、リバーブ6種類、EQ2種類のエフェクターを内蔵しているので、WAZA Tube Amp Expanderを通すだけでアンプのサウンドをさらにカスタマイズでき、ヴィンテージのアンプもモダンな多機能アンプに生まれ変わります。
多彩な接続オプション:
さまざまな接続オプションが備わっており、お手持ちのエフェクター(コンパクト含む)も繋げるFXループ、Line Out、USB、Midi、ヘッドホン出力にも対応しています。
内蔵パワーアンプ:
100WのクラスABアナログ回路設計の内蔵パワーアンプを備えており、WAZA Tube Amp Expanderのパワーアンプを使用すれば、5Wや10Wの低出力のチューブアンプの音色を活かしながら、ライブ用途として音量を持ち上げることも可能です。
スピーカーアウト:
WAZA Tube Amp Expander背面にはパラレル・スピーカー出力を搭載し、最大2つのキャビネットを接続することができます。
エディター・ソフト:
専用のエディター・ソフトを使用することで、より細かな設定も可能です。
WAZA Tube Amp Expander Core:
WAZA Tube Amp Expander Coreは、WAZA Tube Amp Expanderを小型化したモデルです。内蔵パワーアンプは30W、スピーカーアウトは1系統になります(ラインアウトはどちらのモデルもLRに対応)。
また、WAZA Tube Amp Expander Coreには、ラインまたはUSB出力を用いてプロ・クオリティのレコーディングを実現する「MIX ASSIST」「AIR FEEL」の2つの機能が搭載されています。
- MIX ASSISTは、第一線で活躍するレコーディング・エンジニアやギタリストとのサウンドテストを経て開発された機能で、ミキシング、マスタリングのしやすいサウンドを出力することができる機能です。理想とするミックスに合わせて3つのタイプから選択することができます。
- AIR FEELは、独自の立体音響技術で、アンプを目の前にして弾いているような、リアルで立体的なサウンドを実現する機能です。マイキングでは難しい低域の迫力や空気感を調節できます。専用アプリでは、低音の響きに影響するカーペットの有無を再現した2つのタイプを切り替えることもできます。
※機器の背面及びメーカーサイトのスペック表を確認したところ、WAZA Tube Amp Expander Coreのアンプ側のインピーダンスは8Ω固定のようですので、8Ω以外のアンプをお持ちの方はご購入前にメーカーやショップに確認したほうが良いと思います(スピーカーは4~16Ωに対応しています)。
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YouTube – BOSS WAZA Tube Amp Expander (動画)
【一家に一台】BOSS TUBE AMP EXPANDER:

この動画は非常に分かりやすいですね。BOSS WAZA Tube Amp Expanderだけでも十分使いやすいですが、ライブで使うならBOSSの汎用フットスイッチ(GA-FC EX)と組み合わせればさらに便利!!
※WAZA Tube Amp Expander Coreは、フットスイッチに未対応なので内蔵エフェクト等のリアルタイムでの切り替えはできません。あえて分類するならCoreはライブではなく自宅やレコーディング向きと言えるでしょう。
BOSS – WAZA Tube Amp Expander(メーカーサイト)
BOSS – WAZA Tube Amp Expander Core(メーカーサイト)
FRYETTE PS-100 POWER STATION
アッテネーター リアクティブロード パワーアンプ
50WモデルであったPS-2が100WのPS-100に進化しました。
POWER STATION PS-100 は、真空管アンプをドライブさせたサウンドはそのままに、音量だけを下げるパワーアッテネーターとしてはもちろん、逆に小型アンプをPS-100につなぐことで出力を上げ、ステージで使えるレベルまで増幅させることも可能です。
Reactive Load Mode(リアクティブロードモード):
真空管をドライブさせたチューブアンプのトーンはそのままに、POWER STATIONのリアクティブロード&パワーアンプにより、 音量だけを自在にコントロールすることが可能です。
サイレントレコーディングにも対応し、XLR LINE OUTPUTを搭載。インピーダンスは4、8、16Ωに対応しています。
Power Amp Mode(フルチューブ・パワーアンプモード):
出力100W、6550真空管を使用したフルチューブ・パワーアンプモードです。
プリアンプ、アンプシミュレーター、iPhoneなどのモバイル・アンプシステムを接続することも可能です。
SPEC:
Power Output :100W RMS
Tube Compliment :12AX7 ×1、 6550 × 2
Weight :(幅)360mm x (奥行)250mm x (高さ)82mm(突起物含む)/ 7.3kg
サイレントモード(Silent Mode):
サイレントレコーディングや音量を抑えた練習に適したモードっです。
真空管アンプを鳴らすことなく、サウンドを楽しむことができます。
フロントパネルのコントロール:
VOLUME、PRESENCE、DEPTHなどのコントロールが2系統になっており、フロントパネルのセレクトスイッチまたはフットスイッチで切り替えて使用できます。
エフェクトループ:
エフェクトループ端子を搭載しており、エフェクトループ未搭載のヴィンテージアンプでも改造なしで使用できます。
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YouTube – FRYETTE PS-100 (動画)
メーカーサイト
手持ちの真空管アンプを家で鳴らしたい!おすすめの方法は?:

SUHR Reactive Load
リアクティブロード
リアクティブロード キャビネットシミュレーション マイキングシミュレーション
SUHR Reactive Load:
SUHR Reactive Loadは、温かみのあるシンプルで高品質なSUHR製ロードボックスです。お手持ちのIRシミュレーターと併用することで、お使いのアンプの性能を最大限に活かすことができます。
チューブアンプによるサイレントレコーディングにはダミーロード(負荷抵抗)の使用が必要ですが、SUHR Reactive Loadは、スピーカーキャビネットと全く同じインピーダンス・カーブを描くよう精密に調整された特殊回路により、アンプの暖かさやダイナミクスを損なわないスピーカーアウトをキャプチャーし、ラインレベルで出力することによりハイエンドシミュレーターや IR(インパルスレスポンス)の性能を 100% 引き出し自然でリアルなアンプサウンドが得られます。
※SUHR Reactive Loadは「音の出ないアンプ」機能のみに特化し、キャビネットシミュレーションはあえて非搭載型にしています。キャビネットシミュレーションが必要な場合は別途用意して下さい(おすすめはSUHR A.C.E.)。
SUHR Reactive Load IR:
SUHR Reactive Load IRは、SUHR Reactive LoadにIR(インパルスレスポンス)を搭載したモデルです。
Reactive Load I.R.を使用することで、スピーカーキャビネットをマイキングする必要がなくなり、被り(マイクに別のパートの音が入り込んでしまう問題)の無い、整然とした完璧なマイキングギターサウンドをエンジニアに送ることができます。
※状況に応じスピーカーを鳴らすことも可能ですが、共にアッテネーター機能はありません。
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YouTube – SUHR Reactive Load (動画)
『REACTIVE LOAD I.R. 試奏』SUPER PAW TV produced by 鳥山雄司 Vol.9:

こちらの動画でも説明されていますが、SUHR Reactive Load IRが搭載されたギターアンプは「SUHR PT15 I.R.」になります。
※アンプ及びスピーカーのインピーダンスは8Ωのみのようです(アッテネーター機能はありません)。
UNIVERSAL AUDIO OX | Amp Top Box
アッテネーター ロードボックス リアクティブロード キャビネットシミュレーション マイキングシミュレーション
Universal Audio OX | Amp Top Boxは、アッテネーターとキャビネットシミュレーターが1つになった多機能な機器で、チューブアンプの制御や、キャビネットシミュレーション、エフェクト、ヘッドホン出力など、さまざまな機能を持っています。
アッテネーター(ロードボックス)機能:
右側のSpeaker Volumeコントロールを使用して、アンプの出力を調整できます。
キャビネットシミュレーション:
左側のRIG、Room、およびPC(Apple Mac、iPad)を使用し、キャビネットシミュレーションをコントロールします。
インピーダンス切り替え:
4Ω、8Ω、16Ωのインピーダンスに対応し、ほぼすべてのチューブアンプで使用可能です。
内蔵エフェクト:
EQ、コンプレッサー、ディレイ、リバーブなどのエフェクトを内蔵しており、サウンドのカスタマイズが可能です。
ヘッドホンアウト:
前面パネルにはヘッドホン出力を備えており、自宅での練習に便利です。
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YouTube – UNIVERSAL AUDIO OX (動画)
UNIVERSAL AUDIO / OX AMP TOP BOX【デジマート・マガジン製品レビュー】:

OX | Amp Top Box からアッテネーター/アクティブロードボックス部を省略した エフェクタータイプの UAFX OX Stomp Dynamic Speaker Emulatorも発売中です。
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