Greco GVA Customは最強のプラクティス・アンプ

ブラックフェイスのフェンダーチャンプ風のサウンドが心地よい、Grecoの小さなチューブアンプ GVA Customを紹介します。
Greco GVA Customの特徴
Greco GVA Customのコントロールはボリュームと、トレブルとベースの2バンドのみ、出力は5W、8インチ(20cm)スピーカー搭載のシンプルなアンプです。
いわゆる初心者向けのプラクティスアンプという位置づけのアンプになると思うのですが、弾いてみるとビックリ。
小音量では艶やかなクリーンが、ボリュームを上げると、ナチュラルなチューブ・サチュレーション+小さな筐体ならではの箱鳴り+小さな8インチスピーカーのコーンの振動による、ある意味安っぽい歪みがたまりません。
ヴィンテージ・フェンダー系アンプ同様のトーン回路?
GVA Customは、音的にヴィンテージのフェンダー系アンプの、例えばブラックフェイス/シルバーフェイスのチャンプあたりのコピー?だと感じるのですが、このアンプもそんなフェンダー系アンプ同様、トレブル / ベースが0で音的にフラットでナチュラルなサウンドになります。
トレブル / ベースを上げると歪みが増し、12時前後にしてボリュームを上げると中域の乗ったツイードアンプのようなファズライクな音がします。
トレブル / ベースを最大にすると、ブラックフェイスのツインリバーブやデラックスリバーブのようなツヤツヤ、キラキラしたサウンドが出て、こちらも非常に心地良い音がします。
※ヴィンテージのフェンダー系アンプの基本はトレブル / ベースの2バンドの場合は0がフラット、3バンドの場合、トレブル0、ミドル10、ベース0がフラットなのだそうです。
所有している他のアンプと比較してみても、例えば、FenderのCHAMP IIと比べても、ピッキングの食いつきというか、粘りというか、音の柔らかさは、GVA Customに軍配です!
とても実売価格2万ちょっとのアンプとは思えません。
欲を言えばリバーブが付いてたらなぁとか色々あるのですけど、これがシンプルなシングルエンド(クラスA/A級)アンプの実力なのですかね。
ただし、パワー管1本のシングルエンド方式(プッシュプルではない)のでブーンというノイズは若干あります。
▼ブーンというノイズはアースの問題だったようです▼
Greco GVA Customの試奏動画がありましたので紹介しますね。
フェンダーのチャンプライクななかなかの音ですよね。クリーンは柔らかく、ボリュームを上げていくに従い歪みが増し、メタルは無理ですがフェンダーのチャンプのようなキラキラしたサウンドが素敵でエリック・クラプトン弾きたくなります。
The Core Eric Clapton:
自宅では歪まないけど、歪みエフェクターとの相性も抜群!
自宅ではエフェクターを併用
GVA Customは1ボリュームの、マスターボリュームがないアンプなので、小さな音量では全く歪まないアンプなのですが、エフェクターとの相性もよくて、Ibanezのチューブスクリーマーや、BossのSD-1などのオーバードライブを繋げばそこらのアンプには負けないくらいの歪みサウンドを奏でてくれます。
アッテネーターを使っても面白いですよ!!
5Wだけどライブでも使える音量
チューブアンプは非常に大きな音が出ます。スピーカーの能力にもよりますが、一般的におよそ倍の出力と考えて良いでしょう。GVA Customも出力5Wとはいえ、小規模ライブならこのアンプでも余裕で使えます。
※ただしチューブアンプの特性として、音量を上げるとナチュラルにオーバードライブしてしまうため、クリーンで大きな音を出したい人はマイクを立ててPA(モニタースピーカー)から出力するか、もっと出力の大きなチューブアンプを選んだほうが良いと思います。
スピーカアウト搭載
GVA Customはシンプルで良いアンプですが、スピーカーが8インチ(20cm)と小さいので、低域の不足は否めません。しかしこのGVA Customには内部スピーカーを外部スピーカーに切替可能なスピーカーアウト(8Ω)を持っていますので、別の10インチや12インチのキャビネットに繋いで鳴らすことも可能です。
10インチや12インチのキャビネットだけでなく、例えばマーシャル1960等の12インチx4のキャビネットに繋ぐことも可能で、繋いでみると、GVA Customが持っている艶やかさと、12インチならではの音圧がこれまた気持ちいいです!!
GVA Custom 内部写真
GVA Customの内部がこちら。
作りは非常にシンプルですね。頑張れば私でも作れそう。
プリ管は12AX7が1本、パワー管は6V6が1本搭載されています。スピーカーはオリジナルの8インチです。
シンプルなGVA Customは真空管のチョイスで大化けする
プリアンプ用真空管(12AX7)
現行モデルではRUBY 12AX7AC5がおすすめです。GVA Customのプリ管は12AX7がシンプルに1本だけ使われています。プリ管は親指位の大きさ位の真空管で、入力された信号をパワーアンプに送れるレベルまで増幅する管で、音の基本となる音色を作る管です。
プリ管は面倒なバイアス調整等は必要ないので、自由に交換可能です。
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パワーアンプ用真空管(6V6)
パワー管はプリ管と比べ(使用する頻度にもよりますが)寿命が1~2年程度と短いために大きなアンプを使用してる人は結構なお金がかかりますが、1本しか使われていないのでお財布にも優しいです。
GVA Customのパワー管は、フェンダー系小型アンプでおなじみの6V6管が1本使われています。
変なノイズが出始めたら大抵はパワー管の寿命です。
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8インチのスピーカー一覧
GVA Customに使われている8インチ(20cm)のスピーカー一覧。私はJENSENあたりに交換しようと思っていますが、EMINENCEやCELESTIONも試してみたいですね。8インチはさほど高価ではないので、機会があれば色々試してみたいと思います。
*スピーカーには口径以外にインピーダンスと言うものがあります。
お手持ちのギターアンプのインピーダンスが8Ωなら、8Ωのスピーカーを選びましょう。
GVA Customは8Ωです。
JENSEN ( ジェンセン )
フェンダー系ヴィンテージ・サウンドを狙うならジェンセン。50年代のツイード系サウンドならアルニコマグネットの Pシリーズ、60年代のブラックフェイス系サウンドらセラミック/フェライトマグネットの Cシリーズがおすすめ。
*末尾のアルファベット(R=25W、Q=35W、N=50W、K=100W)順に許容入力が大きくなります
P8R:
Spec;
■許容入力:25W
■マグネット:アルニコ
■ユニット重量:1.1kg
1950年代のフェンダー・ヴィンテージ・ツィードアンプに搭載された伝説のアルニコ・スピーカー・シリーズ。
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C8R:
Spec;
■許容入力:25W
■マグネット:セラミック
■ユニット重量:997g
1960年代に開発された現代では一般的となったセラミック(フェライト)マグネット使用のスピーカー。
60sチャンプのリプレイス用にいかがでしょう?
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EMINENCE ( エミネンス )
フェンダーを始め多くのアンプブランドが採用しているエミネンス。アメリカン・サウンドはパトリオット(青)、ブリティッシュ・サウンド(セレッション系?)はレッドコート(赤)と分類されているので分かりやすいです。
820H:
Spec;
■許容入力:20W
■マグネット:セラミック
■ユニット重量:1.41 kg
小型アンプでもファットでウォームなEminenceサウンドが存分に楽しめます。
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CELESTION ( セレッション )
英国を代表するスピーカー。マーシャル・アンプやVOXアンプに搭載され、今も人気ナンバーワンのスピーカ・ブランドです。
Eight15:
Spec;
■許容入力:15W
■マグネット:セラミック
■ユニット重量:1kg
バランスの良い中高域、迫力ある低域は小口径ながら大型アンプを思わせるサウンド。
小型アンプの交換用として最適なモデルです。
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Greco GVA Customはもう製造終了してますが、良いアンプですよ。
見つけたら是非一度弾いてみて下さい
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