小さな巨人!57チャンプ系アンプ特集

小さくシンプルで音が良い ”FENDER 57Champ”と、本家57 Champに負けない機能を有した魅力的な”57チャンプ系アンプ”をピックアップして紹介してみたいと思います。
57チャンプ系アンプの定義
Champとはフェンダー社の小型アンプですが、57 Champはそんなチャンプの1957年仕様のモデルをリイシュー/復刻したモデルです。Champは時期により仕様が異なりますが、57 Champ(通称:ツイードチャンプ)は出力5W、コントロールはボリュームのみというシンプルすぎるアンプです。
そんなツイードチャンプはシンプル故に音が良く、エリック・クラプトンがレコーディングで使用したことで特に人気の高いアンプなので、各社からツイードチャンプ・ライクなモデルが多数発売されています。
今回は、そんなツイードチャンプ系アンプの中から単なるコピーではない魅力的な機能を持った”チャンプ系アンプ”をいくつか紹介してみたいと思います。
57チャンプ系アンプを選ぶルールとして。
- 真空管アンプであること
- 5W程度の小型アンプであること
- ゲインやリバーブなど余計なつまみのないシンプルなコントロールであること
を基準に選んでみました。
今回は同じチャンプ系でもFender 68 CUSTOM VIBRO CHAMP REVERBはトレモロやリバーブなどの機能がついているので今回は除外しています。
それでは早速!
Fender 57 Custom Champ ( 5W )
フェンダーの小型アンプの代表的モデル57 Custom Champ。
チャンプはいわゆる当時のビギナー向けモデルですが、エリック・クラプトンがレコーディングで使用したほどの名機です。
Fender ’57 Champ Demo – Sweetwater:

8インチという小さなスピーカーですがアンプの箱鳴りを含めとても素晴らしい音です。
またシンプルなチューブアンプならではの、軽く弾けばクリーン、強く弾けば歪むというピッキングの強弱によりサウンドが変化するのも魅力的です。
ただし57チャンプはGainやLeadといったマスターボリューム仕様ではないので、歪ませるにはボリュームを上げる必要がありますので、スタジオやライブはともかく自宅ではまず歪んだ音は出せません。
方法としてはオーバードライブやディストーションなどのエフェクターを繋ぐ方法もありますが、現行のFender 57 Custom Champはスピーカー(4Ω)と本体の接続がフォンジャック(J)になっていますので4Ωに対応したアッテネーターという、ボリューム上げたときの歪んだサウンドはそのままに音量のみを下げる機器を間に噛ませることも可能です。


参考動画:Why Tube Amp Lovers Need Attenuators(真空管アンプにアッテネーターが必要な理由):

アッテネーターを接続すればフルアップにしたアンプの音はもちろん、フェンダーアンプで最も美しいとされるボリューム6付近の少し歪んだクランチサウンドの通称”マジック6”の音も自宅で堪能できます。
※アンプの音というのはパワー管の歪み以外にもアンプの箱鳴りやスピーカのコーンの振動なども含まれますので厳密には同じ音というわけではありませんが、アッテネーターがあれば自宅でも疑似体験することが出来ます。
※アンプのボリュームを上げた使い方はアンプに負荷をかかるので長時間の使用はおすすめしません。
Spec;
スピーカー:1×8インチWeber社製Alnicoスピーカー
真空管:1×12AY7、1×6V6、5F1
重量:34.3W×31.8H×19.3Dcm、約7.4kg
FENDER 57 Champはこちらで購入できます
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Magnatone STARLITE ( 5W )
Magnatone STARLITEも出力5Wの小型チューブアンプです。コントロールも57 Custom Champ同様、ボリュームとトーンのみですが、トーン回路が特殊で、トーンをセンターから絞ることで中音域が少なく艶やかなフェンダーのブラックフェイスのようなサウンド、トーンを上げることで中域がブーストされたツイードアンプのようなサウンドが得られるように設計されています。
Magnatone Starlite Demo | First Look:

このアンプもなかなか良いですよね。
ただこのアンプもChamp同様マスターボリュームのないアンプなので小音量では歪みませんが、トーンの横にあるFEEDBACKスイッチをONにすることで音がブーストされ、ツイードアンプをフルアップにしたようなブーミーでファズライクなサウンドが得られます(動画は7分過ぎから)。
もちろん歪みエフェクターを使ってもOKです。
Spec;
スピーカー:MAGNATONE カスタム 8″ セラミックマグネット(WGS 製)
真空管:12AX7 ×1、6V6 ×1
重量:約 43.2 cm(幅) × 約 30.5 cm(高さ) × 約 20.3 cm(奥行)、約 8.6 kg
Magnatone STARLITEはこちらで購入できます
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Supro 64 Super ( 5W )
Supro 64 Superは、57チャンプ同様トーンのないボリュームのみの小型チューブアンプです。
Supro 1606 Super – Official Demo by Phil X:

姉妹機種に64 Reverbというものがあり、こちらはマスターボリュームが搭載されていますので小音量でも歪ませることが出来ます。
Spec;
スピーカー:1 x 8″ Jensen C8R
真空管:1x 12AX7、1x 6V6
重量:40 x 19 x 30 cm、10.5kg
Supro 64 Superはこちらで購入できます
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Tone King GREMLIN ( 5W )
Tone King GREMLINも、シンプルにボリュームとトーンのみのアンプですが背面には音質はそのままに音量のみを落とすアッテネーターが標準搭載されています。
また、RhythmとLeadという2つの入力があり、Rhythmはフェンダーのブラックフェイス系の艶やかなサウンド、Leadはフェンダーのツイード系の荒々しいサウンドが得られるようにチューニングされているところも魅力的。
※RhythmとLeadは差し替えるだけでなく、A/Bスイッチを使うことで2チャンネルのアンプのように使うことも可能です。
Tone King Gremlin Combo – The perfect bedroom amp?:

57チャンプのようなシンプルな小型アンプと思いきやアッテネーターと2つの入力(チャンネル)を持ちかなりな多彩なサウンドが得られるアンプです。
大きな12インチスピーカーが搭載されているのもポイントで艷やかでパワフルなフェンダー系サウンドが得られるアンプだと思います。
Spec;
スピーカー:セレッション製カスタム・デザイン870 (12インチ)
真空管:12AX7 × 2、KT66 × 1<これがパワー管
重量:H460 × W482 × D270mm、約14.0kg
Tone King GREMLINはこちらで購入できます
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まとめ
フェンダーの57チャンプ系アンプをいくつかピックアアップしてみましたがいかがでしたでしょうか。個人的にはTone King GREMLINの機能とサウンドに惚れ込んでしまいましたが、結構なお値段なので買うには勇気がいります。
しかしチューブアンプはメンテしながら一生使うものなので、これ!というものであれば買ってしまうのもありですよね。
リーズナブルなのはSuproですが、シンプルな64 Superとマスターボリュームや3バンドEQ、リバーブを搭載したものもあるので迷います。
もちろん本家フェンダーのチャンプも捨てがたいし、Tone King GREMLIN同様、ブラックフェイスとツイードの2種類の音が出せるMagnatone STARLITEも魅力的。
小さなアンプというと、私はGreco GVA Custom(5W)とCornell Romany Plus(10W)を所有しているので今すぐ欲しいというものではないですが、もしかしたらこれらのアンプを売ってTone King GREMLINを買っちゃうかもな、、、いや売っても買えないな、、、、。
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