FENDER Pro Jr & Blues Jrは初心者にもおすすめの魅力的なチューブアンプです

Pro JrやBlues Jrは、今どきのキャビネットシミュレーターを搭載した多彩な機能なアンプではないですが、チューブサウンドを堪能するにはとてもおすすめのアンプです。
今回はフェンダーのPro Jrと、Blues Jrについて語ります。
Pro JrとBlues Jr
Pro Jrと、Blues Jrの発売は1990年代だったでしょうか、今でも根強い人気のあるアンプです。
理由は、チューブアンプにしては初心者にも比較的買いやすい価格設定と、そのサウンドでしょう。
フェンダーのアンプというのは古くからパワー管に出力の大きなアンプには6L6、出力の小さなアンプには6V6が使われることが多いのですが、Pro Jrと、Blues Jrは共にEL84が使われています。
EL84というのはVOXやマーシャルなど主に欧州のアンプに使用される管で、EL84は出力の小さなアンプ、EL34は出力の大きなアンプに使われます。
6V6や6L6と、EL84やEL34は音が結構違っていて、6V6や6L6はきらびやかな高域と豊かな低域が特徴で、EL84やEL34は中域が魅力的な管です。
EL84が使われたPro Jrと、Blues Jrは、フェンダーアンプの特徴を備えながらも、ブーミーになることのない低域と、張り出した中域がとても魅力的なんですよね。
Pro Jrと、Blues Jrの動画
Youtubeを徘徊していましたら、Pro Jrと、Blues Jrの紹介動画を見つけました。
The Pro Jr. & Blues Jr. IV with Sadler Vaden | Hot Rod Amplifiers | Fender
フェンダー系にしては低域はあっさりしていますが、とても魅力的な音ですよね。
6V6や6L6を使ったアンプは、ボリュームを上げて歪ませるとややブーミーになる傾向がありますが、EL84やEL34を使ったアンプは中域が持ち上がるので、心地よい歪みが得られるのが特徴で、、、というと、6V6や6L6を使ったメサブギーはどうなんだ?と反論されそうですが、メサブギーの歪みも良いですが、マーシャルの歪みとは少し違う気がします。
Pro JrとBlues Jrの違い
パワー管にEL84を使用したPro Jrと、Blues Jrですが、主な違いは以下の通り。
コントロール
まずコントロールが、Pro Jrはボリュームとトーンのみのシンプル構造。
プリ管を歪ませるためのマスターボリューム式のアンプではないので、歪ませるにはボリュームを上げる必要があります(もちろんエフェクターを使えば簡単に歪みは得られます)。
対してBlues Jrは、マスターボリューム付きのアンプなので、マスターを絞ってボリュームを上げることで自宅などの小音量でしか鳴らせない環境でも歪んだ音を出すことができますので便利です。
スプリングリバーブが付いているのも特徴です。
スピーカー
スピーカーはPro Jrは10インチ、Blues Jrは12インチスピーカーです。
口径が大きいほうが低域が出るので迫力のある音を出すことができますが、10インチは邪魔な低域が少ない分、非常に扱いやすいサウンドが特徴です。
サイズ
サイズはPro Jrは36.8H×38.7W×22.2Dcm、9.1kg、Blues Jrは45.7W×40.6H×23.3Dcm、14kgと結構違いますね。
Pro JrとBlues Jrどちらを選ぶ?
Pro JrとBlues Jrそれぞれの特徴を簡単に説明してきましたが、どちらのアンプもとても素晴らしいアンプで、ロングセラーなのも納得です!
Pro JrとBlues Jrは比較的安い値段で買えるので、初心者用のチューブアンプと思われるかもしれませんが、プロギタリストも結構愛用しているんですよ。
以下の写真はスペースシャワーネットワークから限定で発売された、トム・ウィーラー著「アンプ大名鑑(フェンダー編)」からのキャプチャですが、Pro JrやBlues Jrはボニー・レイットや JJケイルなどにも愛用されている(いた)ようです。
ボニー・レイットが愛用する1x10プロ・ジュニアは、近年では最高の小型アンプの1つであり、昔のチャンプやプリンストンの後継機種と呼ぶにふさわしいモデルだ。
2本のEL84から繰り出される出力は15W、音色には温かみがあり、中域とコンプレッションのタッチが豊かだ。このモデルにはエミネンスがフェンダーのために特別に設計したスピーカーを搭載しており、レコーディングに最適である。
「ギタープレーヤー」誌はこのように評している。「プロ・ジュニアの音色は、フラートン製(筆者注釈:フェンダー創業の地)ではないかと思われるほどにEL84の特性をよく表現している。小さいボリュームではツイードらしい雰囲気を、そしてボリュームを上げればブリティッシュ・ロック風の不機嫌そうで荒っぽい雰囲気を出してくれる」。
また、ボトル・ロケッツのブライアン・ヘンネマンは次のように語っている。「プロ・ジュニアのちょっと面白い使い方として、クローズドバックのキャビネットに通すというのがある。キャビネットに、12インチのセレッションのヴィンテージ30が2発入っているともっといい。スタジオではこのセットアップが最高だよ。ボリュームを上げすぎなくても、ものすごく大きな音が出るんだから。レコーディング・エンジニアにとっては夢の機材だね」
また、ジェフ・ベックも”Big Town Playboys”とのライブでPro JrもしくはBlues Jrらしきアンプを使っている映像も残っています(スラップバックエコーがカッコいいですね)。
Darrel Higham & Jeff Beck – Double Talking Baby:
まとめ
Pro Jrと、Blues Jrはどちらも甲乙つけがたいですが、ボリュームとトーンのみのコントロールのPro Jrはどちらかと言うと、クリーンに特化したアンプ、Blues Jrはマスターボリュームやリバーブが付いているので色々なジャンルに使えるアンプという感じですかね。
クリーンと言っても、チューブアンプはボリュームを上げると歪みが乗ってくるので、例えばスタジオやライプ等の大きな音量を出せる環境では歪んだ(クランチサウンド)音も堪能できます。
逆に、大音量でクリーンな音が欲しいときは、別のスピーカーを繋いだり、スピーカーの前にマイクを立ててPAから音を出すことでクリーンな音も出せますので問題ありません。
共にアッテネーターが使えます
Pro Jrと、Blues Jrは共に、スピーカーがジャック式になっているので、別のキャビネット(8Ω)に繋いで鳴らしたり、パワー管の歪みはそのままに音量を下げることの出来るアッテネーターの使用も可能です。
もちろん、チューブアンプは歪みエフェクターとの相性が良いので、必ずしもアンプで歪ませなくても良い音が得られます。
ちなみに私が今欲しいのはラッカーツイードのPro Jr。シンプルなアンプが好きなので。。。
Pro Jr、Blues Jrは、はじめてのチューブアンプとしてはもちろん、ライブやレコーディングアンプとしてもおすすめです。
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