ZEUS DRIVEは、ケンタウルス系の透明感のあるドライブサウンドが特徴のオーバードライブです。
この記事では、ZEUS DRIVEを実際に試したレビューと、チューブスクリーマー系など他の定番オーバードライブとの違いを比較しながら、その実力を検証していきます。

tc electronic ZEUS DRIVEの特徴とレビュー
tc electronic ZEUS DRIVEは、ゲルマニウムダイオードクリップを採用したCentaur系オーバードライブです。

Centaur/ケンタウルスとは、「ペダルを使っているとは思えない」ほど自然で透明感のあるトランスペアレントなサウンドが特徴のオーバードライブです。
KLON CENTAURのサウンド
KLON CENTAUR(ケンタウルス) 〜“オーバードライブの王様”を知る:
アンプサウンドを大きく変えないまさに「トランスペアレントなオーバードライブ」ですね。
tc electronic ZEUS DRIVEは、そんなケンタウルスをイメージしてかゴールドです。

ZEUS DRIVEレビュー
ZEUS DRIVEを使ってみて、まず感じたのは「とても素直なオーバードライブ」という点です。
例えばチューブスクリーマー系のように中高域を持ち上げ、またある帯域をスパッと削り “音を変える” タイプのペダルもありますが、ZEUS DRIVEはONにしても音の方向性が大きく変わることはありません。
VOLUMEを上げればブーストもできますし、DRIVEを上げればしっかり歪ませることも可能ですが、アンプ本来のキャラクターは変えないので、オーバードライブに個性を求める人にはやや物足りなく感じるかもしれません。
サウンド自体は非常に上質で、あくまでも自然に“艶やかさ”をプラスするイメージで、人によっては「チューブスクリーマーで代用できる」と感じる部分もあるかもしれませんが、より原音重視でナチュラルなドライブを求める人には魅力的なペダルだと思います。
サウンドチェック
こちらはZEUS DRIVEと、同じケンタウルス系オーバードライブのRYRA The Kloneとの比較です。
TC Electronic Zeus – Klon Style Pedal For £50 – Is It Any Good?:
▲ペダルをONにする前のサウンドと比較していただければ分かりますが、どちらも特定の帯域を強調することなく、アンプ本来のサウンドを活かしながらわずかに艶を加えて歪ませるのがわかるでしょうか。
▼一方、チューブスクリーマーは良くも悪くも、特定の帯域をブースト/カットして、音に艷やかさや柔らかさを加え、音を変えてしまいますが、それがプラスに働けば鬼に金棒!です。
Tube Screamer shootout: Maxon OD808 & OD-9 versus a vintage Ibanez TS9:
「どちらが良いか」は、機材やプレイスタイル次第で、私の感覚では「必ずしもケンタウルス系を選ぶ必要はない(チューブスクリーマーで十分代用できる)」と感じましたが、ZEUS DRIVEはアンプの個性を損なわず、自然に厚みや艶を加えたい人にとっては十分選ぶ価値のあるペダルだとおもいます。
ZEUS DRIVEの詳細はこちらの動画が参考になります。
【日本語字幕】tc electronic ZEUS DRIVE:
まとめ
ZEUS DRIVEは、アンプのサウンドを大きく変えない ケンタウルス系オーバードライブ です。
ケンタウルス系オーバードライブの特徴は、エフェクターを使っていることを感じさせない 透明感あるサウンドで、ZEUS DRIVEもその長所をしっかり受け継いでおり、アンプのキャラクターを活かしながら自然なドライブ感をプラスできます。
ただし、その一方でZEUS DRIVEは「ケンタウルス系らしさ」を忠実に再現しているがゆえに、「素直すぎてやや物足りなさを感じる」ペダルでもありました。
もちろん、すでにお気に入りのアンプサウンドを確立していて、「あと少し歪みを足したい」「音量を稼ぎたい」といったギタリストにとっては、ZEUS DRIVEは非常に頼れる存在になるでしょう。
しかし、完成度の高いオーバードライブである一方、私にとっては少し面白みに欠けるペダル、という評価に至りました(悪いという意味ではありません)。
ちなみに、ZEUS DRIVEの初期モデル(2,000台)には、本家KLON Centaurでも使われた”1N34A”ゲルマニウムダイオードが搭載されているようです。
気になる方は以下のリンクからチェックしてみてください。
tc electronic ZEUS DRIVEの詳細/価格情報

YouTube – TC Electronic ZEUS DRIVE (動画)
トゥルーバイパス/バッファードバイパス
オリジナルのケンタウルスはバッファードバイパスのみですが、ZEUS DRIVEでは内部スイッチでトゥルーバイパス/バッファードバイパスを切り替えることができます。
バッファードバイパス:
ペダルをボードの先頭に置くことで、長いケーブルや多くのエフェクターを繋ぐときの音質劣化を最小限に抑えます。
トゥルーバイパス:
ペダルOFF時に回路を完全に切り離すため、音質劣化を防ぎます(接続エフェクターが少ない時はこちらがおすすめ)。

蓋は、側面の+ネジ4つと、ジャックを固定しているナットを外すと外れますので、用途に応じ切り替えて使うと良いと思います。


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