
ファズの使い方~ジミ・ヘンドリックス ファズフェイス JH-F1レビュー
使ってみると奥深い、ファズフェイス(ジミ・ヘンドリックス・モデル/JH-F1)レビューとファズの使い方を解説。
FUZZ ファズとは
FUZZ ファズと言うと、60~70年代の古い、時代遅れの歪みエフェクターという印象を持ってる方も多いと思いますが、それはファズというエフェクターの一面でしかありません。
確かにバリバリ、ブリブリと音の割れたような古臭い歪みもファズサウンドの一つではありますが、ギターのボリュームを調整することで、その古臭い歪みがオーバードライブ~ディストーションにもなり、さらにボリュームを絞ることで鈴鳴りと呼ばれる艷やかなクリーンサウンドも得られるという魅力的なエフェクターペダルでもあるのです。
ここでは、ピッキングのタッチに敏感なジャズ/ブルースギタリストをも魅了するファズエフェクター/ファズフェイスの魅力を紹介したいと思います。
ファズはクリーンから激しい歪みま出せる魅力的なペダルである
JIM DUNLOP ( ジムダンロップ )/ Fuzz Faceはファズの代表的なモデル。

ファズを全開にした時のサウンドは強烈で、PUセレクターをフロントにしようが、リアにしようがブーミーでほぼ同じ音のような暴れ馬的エフェクターで、代表的なサウンドといえばジミ・ヘンドリックスのこの曲
Purple Haze(動画)
そんな暴れ馬的なサウンドのファズ・ペダルですが、ギター側のボリュームを絞ることで、艷やかなオーバードライプから鈴鳴りサウンドと称される極上のクリーンサウンドまで多彩な音の出せるペダルなのです(トランジスタ未使用のモデリングやオペアンプファズでは鈴鳴りクリーンは出せません)。
ファズ=ジミ・ヘンドリックスというほど有名ですが、そのジミのアルバムを聴くとジミは、クリーンなギタリストでもあって、アルバムAre You Experienced?を聴いても、Red House、Remember、Hey Joe 、The Wind Cries Maryなど、クリーンな曲が非常に多いです。
ジミ・ヘンドリックスがファズの鈴鳴クリーンを使っていたのか、エフェクターを切ったアンプのクリーンサウンドを使っていたのかは不明ですが、動画を見ると、頻繁にギターのボリュームを調整し、歪みと音量をコントロールをしているのが確認できます。
ファズの使い方
歪みエフェクターとしての使い方
ファズの使い方の基本は、FUZZ(ゲイン)と、VOLUME(ボリューム)はほぼ全開にした状態から音を作っていきます。
ボリューム10で過激でブーミーなファズサウンドが出るようにしておき、そこからギターのボリュームを絞り、歪みの調整をするのが良いと思います。
ギターアンプの設定は(できればチューブアンプの)少し歪みの乗ったクランチセッティングにしておきましょう。
アンプがクリーンだと硬い歪みになってしまいますので、クリーンなアンプしか用意できない場合はチューブスクリーマーなどのオーバードライプをファズの後ろにつないで軽く歪ませた音に、ファズをかけたほうが良いと思います。
ギターのボリュームを絞るので、ボリュームポットは音質の良いCTSに交換しておきたいところです。
ブースター/プリアンプとしての使い方
ファズフェイスをファズやディストーション、オーバードライブとして使用するなら上記のような使い方が一般的ですが、ブースターというか、音質調整用のプリアンプ的に使ってもなかなか良い効果が得られます。
FUZZつまみは抑えめでVOLUMEボリューム上げて使用しますが、その場合でもギター側のボリュームやトーンを使い音量はもちろん歪みの調整を行うことでファズフェイスを通さない音よりも魅力的な音だったりします。
ファズとワウの接続問題について
ファズフェイスなど古いファズとワウの同時使用で起こる問題として、ワウが効かなかったりピーピー発振してしまうという症状に悩む方も多いと思います😨
特にファズフェイスは単体で使う場合と、複数のエフェクターを使う場合の接続する場所によって音も変わってしまうので、一体どこに置けばよいのか困ってしまいますよね🤔
対策として最も簡単なのは、ファズフェイスとワウの順番を入れ替えたり、ファズフェイスの前にバッファーを置くのも1つの方法です。
バッファーはバッファー専用のペダルでなくても、音質変化の少なくブースター/プリアンプでもOKです。

バッファー(ブースター/プリアンプ)の設定は、Gainは0、Volumeはブースター単独で使うと原音より音が小さくなるくらいにセットアップするのがポイントで、この状態でファズフェイスをONにすることでファズフェイスが音を持ち上げてくれてちょうどよい大きさになります。こうすることで音質変化がなく、かつワウのかかりやギターのボリュームコントロールなど全てが改善されます。
詳しくは:
ファズフェイス 参考動画
FUZZ FACE ゲルマニウム・ファズの源流【デジマート DEEPER’S VIEW Vol.03】:
ビッグマフとファズフェイスの違い
ファズフェイスと並びファンの多いBIG MUFF /ビッグマフですが、両者は似ているようで全く違うファズと言えるでしょう。
ビッグマフはトーンコントロールが付いているというのもあるのかもしれませんが、チリチリしたハイからブーミーなローまで非常にバランスの良いサウンドでしかもよく歪みます。
対してファズフェイスはビッグマフほど器用な音は出せませんし、ファズ単体ではさほど歪みません。しかし、アンプの歪みや別のオーバードライブを足して、アンプをクランチ状態にしてあげることで、極上のファズサウンドが生まれます。
これはトランジスターの数も影響しているようで、ビッグマフはトランジスターが4つ、ファズフェイスは2つとなっています。
どちらが良いかは好みの分かれるところですが、私は無骨なファズフェイスが好きですね👍
Jimi Hendrix Fuzz Face JH-F1 レビュー
ジミ・ヘンドリックス・ファズフェイス JH-F1の紹介
大きな筐体の内部はこんなにシンプル。
FUZZ FACE JH-F1はジミ・ヘンドリックスがバンド・オブ・ジプシーズ時代(1970年)に愛用したファズフェイスを再現したペダルで、半導体/トランジスタが初期のゲルマニウムからシリコントランジスタ(BC108)に変更されているのが特徴です。
元気でパワフルな音のするファズペダルで、ギターのボリューム全開では非常にブーミーで扱いに困るほどですが、ギターのボリュームを絞るにつれ、扱いやすい艷やかなサウンドに変化します。
ゲルマニウムとシリコントランジスタの違い
ゲルマニウムトランジスタは個体差があったり、気温により動作が不安定になり音が変わってしまうという欠点があり、様々な場所でライブを行うジミをかなり困らせていたようです。
その点シリコントランジスタは、耐熱温度180℃(ゲルマニウムの耐熱は約80°C)で壊れにくく、個体差もないので安定したサウンドが得られるようになったようです。
しかし音を追求するギターの世界ではゲルマニウムトランジスタ搭載モデルは未だ人気があり、ゲルマニウムトランジスタのローファイな音が好きという方も多いです。
ゲルマニウムトランジスタ搭載のファズを使う方は、陽の当たる真夏のステージや寒い屋外でステージでの使用はもちろんですが、炎天下の車内からの持ち込みや、真冬の屋外からの持ち込みにも気をつけたほうが良いのかもしれませんね。
シリコントランジスタ(BC108)採用のJH-F1 Fuzz Face
ゲルマニウムとシリコントランジスタの比較動画
こちらの動画ではギターのボリュームを調整し、歪んだファズサウンドからクリーンまで色々なサウンドを出しています。
ゲルマニウムとシリコントランジスタ・ファズの音の比較していて非常に参考になります。シリコンのほうが僅かに元気で現代的な歪みに感じますがいかがでしょうか?
Dunlop Fuzz Face | Germanium vs Silicon, fuzz before/after:
JIM DUNLOPのファズフェイスはこちらで購入できます
ジムダンロップのファズフェイスはJH-F1はシリコントランジスタ、赤いカラーのJD-F2がゲルマニウムトランジスタ搭載モデルとなっています。
JH-F1
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YouTube – Dunlop JH-F1(動画)
JD-F2
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YouTube – Dallas-Arbiter Fuzz Face (動画)
さらに使いやすくなったファズフェイスはこちら
そんな魅力的なファズペダル/ファズフェイスも、筐体が異様に大きかったり、9v電池しか使えないなど、今どきのエフェクターからすると使いづらい面もありましたが、ミニサイズのファズフェイスが発売されたことで、より身近な存在になりました。これならエフェクターボードに入ります👍
Fuzz Face Miniは全て、トゥルーバイパス、ステータスLED、電池交換が容易なバッテリーボックス、ACアダプターが使えるDC入力装備と小さいだけでなく、使いやすくなっているのもポイントです。
JIM DUNLOP Fuzz Face Mini
ゲルマニウムトランジスタを採用した60年代仕様の赤、シリコントランジスタ採用の70年代仕様の青の他、ジミ・ヘンドリックス・モデル(水色)、ジョー・ボナマッサ・モデル(黒)などをラインナップ。
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YouTube – JIM DUNLOP Fuzz Face Mini (動画)
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