TECH21 FLY RIG 5 V2 レビュー~コンパクトエフェクター派にも簡単操作のマルチエフェクター
FLY RIG 5 V2は、多機能なマルチエフェクターは使いこなす自信がなという人にはおすすめのシンプル操作のマルチエフェクターです。
TECH21 / FLY RIG 5 V2の搭載エフェクター
TECH21 / FLY RIG 5 V2は、コンパクトエフェクター派にもありがたい操作感と、エフェクトループにより様々なエフェクターを接続できたり、エフェクトループ付きのアンプがあれば4ケーブルメソッド接続も可能なマルチエフェクターです。
今すぐ購入まずは TECH21 / FLY RIG 5 V2をセクション毎に見てみましょう。
SANSAMP PLEXI/BOOSTセクション
ギターをインプットして最初に来るのがPLEXIセクション。
PLEXIには文字通り1960年代のマーシャルサウンドを再現した歪みエフェクターと、DRIVEスイッチの下にはCALIスイッチがあります、CALIとは『Califonia』すなわちメサブギーサウンドを再現したモード。
次に来るのがBOOSTセクション。
これはクリーンブースターで、Pre/PostスイッチでPLEXIセクションの前段にかけるのか、ディレイ/リバーブの後段にかけるのかを切り替えられるようになっています。
Pre/Postスイッチを押さないと前段のPreブーストで最大+20dBのブースト、Pre/Postスイッチを押すと後段のPostブーストになり最大+12dBのブースト量になります。
SANSAMP BLONDEセクション
次に来るBLONDEセクションにはチューナーとSans Amp Blondeというフェンダー系のプリアンプ(オーバードライブ)と、ON/OFF可能なアンプシミュレータ(スピーカーシミュレータ)が入っています。
アンプシミュレータ(スピーカーシミュレータ)はギターアンプと接続する時は基本使用しませんが、ONにすると音圧が上がるので小さな音の時は使用しても面白いと思います。
このアンプシミュレータがあることで、アンプを使用せずにモニタースピーカーに直接つないて音を出したり、ミキサー(PC)に直接つないでレコーディングなどにも使えますが、音質に関しては後述します。
※スピーカーシミュレーションのON/OFFはシールドケーブルからの出力にのみ有効で、FLY RIG 5 V2サイドにあるミキサーなどに直接送れるXLR出力では常時ONになります。
※ギターチューナーは普通に使えますが、キャリブレーションは440Hz固定で変更は出来ません。
BLONDEセクションと次のEFXセクションの間にエフェクトループが入りますが後述します。
EFXセクション
最後に来るのはディレイとリバーブが入ったEFXセクションです。
ディレイはテープエコー系の柔らかなサウンドのディレイで、ディレイタイムは28~1,000msec。タップテンポにも対応しています。
※タップテンポとは、TAPスイッチをリズムに合わせてタップする(踏み込む)ことでディレイタイムの変更ができる便利な機能。下にある8THスイッチを押すとTAPの間隔が4分から8分に間隔変わります。
ディレイの音質はテープエコー風のややライトであっさりした感じのディレイですが、原音を邪魔しないサウンドは扱いやすい思います。
リバーブはTAP/RIVERBスイッチを長押しするとONになります。
いわゆるスプリングリバーブ風のデジタルリバーブだと思いますが、こちらもライトな音質ですが悪くないです。
FLY RIG 5 V2のディレイは発振するのか
ディレイと言えばトミー・ボーリン好きの私からすれば、発振するかどうかが結構重要なのですが、発振風にはなりますが、これからフィードバックして延々とディレイサウンドが続くぞぉおお~というタイミングで音が消えてしまいます😅
※発振とは、ディレイのフィードバック(リピート回数)を長めにして、ディレイをかけた状態でディレイタイムツマミを回すことでシュワシュワと音が鳴りっぱなしの状態になること。
こんなやつですイントロを聴いてみて下さい
DeepPurpleのComin’ Home
James GangのStanding In The Rain
フィードバック、、、、しないのかーーい(^_^;)なサウンドをラインで録ってみました。
発振はテープエコーやアナログディレイで出来る技ですが、テープエコーを模したデジタルでも出来るものがあります。
TECH21 FLY RIG 5 V2のエフェクトループ
FLY RIG 5にはオーバードライブやディレイ、リバーブなど必要最小限のエフェクターが搭載されていますが、もっとエフェクターをつなぎたいときもあると思います。
そんなときでも大丈夫!
例えばオーバードライブやディストーションなどの歪み系やワウやコンプレッサーなどのフィルター系エフェクターはは、FLY RIG 5のインプットの前にいくらでもつなげますし、フェイザーやフランジャー、コーラスなどのモジュレーション系のエフェクターや空間系エフェクターをつなぐ時はこちらのエフェクトループ(センドリターン)端子につなぎます。
エフェクトループ搭載のアンプがあれば、今流行りの4ケーブルメソッド接続も可能です。
※4ケーブルメソッドとは、マルチエフェクターに内蔵された空間系などエフェクターを綺麗に効果的に効かせる為に、ディレイやリバーブなどをアンプのプリアンプの後ろ(パワーアンプの前)に、マルチエフェクター内蔵の歪みエフェクターはプリアンプの前に接続する方法。
FLY RIG 5 V2色々な接続方法
エフェクトループを搭載したマルチエフェクターは4ケーブルメソッド接続が出来て便利ですが、それ以外にも色々な接続方法があるので見てみましょう。
※①以外はギターアンプにエフェクトループ(センドリターン)端子がある場合の接続方法です。
① アンプのインプットにつなぐ方法:
② アンプのRETURN端子につなぐ方法:
③ アンプのエフェクトループ(センド/リターン)につなぐ方法:
④ 4ケーブルメソッド
画像は、厳選!おすすめマルチエフェクター~マルチエフェクターの接続方法より~
FLY RIG 5 V2は直感的な操作ができるマルチエフェクターですが、上記のように色々なつなぎ方が出来るようになっています。
特に、アウトプットをギターアンプのRETURNにつなぐ方法は特におすすめで、FLY RIG 5 V2にはプリアンプに相当するBLONDEのコントロールツマミがあるので、3バンドEQ搭載のアンプのようなコントロールが可能です。
※ギターアンプのRETURNにつなぐ方法ですと、ギターアンプのプリアンプ部が無効になるので、効くのはマスターボリュームと、アンプによりますがプレゼンスやリバーブのみになります。
TECH21 FLY RIG 5 V2のサウンドレビュー
実際にギターアンプに繋いで音を出してみました。
マーシャルサウンド
PLEXIモードは、名前の通りプレキシと呼ばれる1960年までのマーシャルアンプの音を再現したペダルで、こんな感じの音のするアンプです。
プレキシ・マーシャルを紐解く〜Marshall 1959 SUPER LEAD “BLACK FLAG” 編:
癖のないクリーンと、歪ませるとちょっと粗くギラつきながらも音がつぶれない気持ちの良い音ですよね。
FLY RIG 5 V2のPLEXIモードもそんなプレキシマーシャルの特徴をよく再現できてると思います。
フェンダー系アンプである6L6パワー管のCornellアンプのEQをバイパスしたクリーンにTECH21 FLY RIG 5 V2のPLEXIをONにして録ってみました。
※エフェクト音は特にブーストせず、原音と同じくらいでセットアップしました。蚊の鳴くような小さな音で録ったので生音も入っちゃってるし音圧もいまいちですが、雰囲気だけでも感じていただけたらと思います。
ギター:Gibson SG
アンプ:Cornell Romany EQ Cutモード
マイク:SHURE SM57
FLY RIG 5 V2のPLEXIの設定はLevel9時、TONE15時、DRIVE10時くらいのクランチサウンドで、PLEXIセクションOFF▶PLEXIセクションON▶リフ を弾いています。
どんなジャンルにも合う音というわけではないですが、初期のAC/DCやDef Leppardの1stや2ndあたりのサウンドを思わせるサウンドで私は大好き(^^)👍
少なくとも私の大好きなチューブスクリーマーではこんなギラついた音は出ないです。
メサブギーサウンドが得られるというCaliは、押してもあまり変わらないですが、少しだけ低域と歪みが増す感じであってもなくても良いかな??
フェンダーサウンド
フェンダー系というだけあって綺羅びやかさがプラスされる感じのモードです。
ゲインも付いていますがあまり歪まず、マスターボリュームのない真空管アンプのボリュームを上げてパワー管の歪みが乗ってきた音をイメージしてるのだと思いますが、まさにそんな感じ。
MIDを絞ってHIGHとLOWを上げるとブラックフェイスやシルバーフェイスのツヤツヤ、キラキラしたサウンドを再現出来ます。
マーシャルアンプの音を再現するエフェクターは結構ありますが、フェンダーアンプの音を再現したエフェクターは意外とないし、その音も???な物が多いのでのでこれは凄いです。
これに内蔵のリバーブをかけるといい感じの艷やかなフェンダーアンプっぽいサウンドになります。
※こちらも蚊の鳴くような小さな音ですがちょこっと録ってみました。
クリーンなフェンダーサウンドにはFLY RIG 5 V2内蔵のリバーブを少しかけています
ギター:ストラトキャスター(リアとミドルのハーフトーン)
アンプ:Cornell Romany EQ Cutモード
マイク:SHURE SM57
FLY RIG 5 V2のBLONDEの設定はLevel8時半、HIGH12時、MID7時(0)、LOW14時、17時(MAX)くらいで、BLONDEセクションOFF▶BLONDEセクションON~リフをちょこっと弾いています。
※こちらもエフェクト音は特にブーストせず、原音と同じかやや大きいくらいでセットアップしました。
レベルを上げるともっと歪むのでしょうが、自宅なのでご勘弁。
FLY RIG 5 V2のライン(スピーカシミュレータ)の音
ラインの音は今どきのIR(インパルスレスポンス)ではないので、アンプシミュレータをONにしてもライン臭さはかなりあります。
ただし使い方によってはかなり良くすることも可能で、アンプに繋いだときとはセットアップを少々変える必要があります。
まずPLEXI単体やBLONDE単体ではライン臭くて良くありませんが、BLONDEセクションをONにしてEQはフラットもしくはHIGHとLOWをやや下げた状態で、PLEXIをONにすると、ヴァン・ヘイレン・ライクなブラウンサウンドが作れます。
音圧もすごくてこれは楽しい(^^)。
こんな感じ。
ギター:ストラトキャスターHSH(リアPU)
アンプ:なし
FLY RIG 5 V2のXLR端子からミキサー経由でPCにライン録音(スピーカーシミュレータはON)で、BLONDEセクションOFF▶BLONDEセクションON▶PLEXIセクションON
しかしクリーンやクランチサウンドを作るのは苦手っぽいです。
モニタースピーカーへ直接送って出る音は結構まともなのですが、ヘッドホン出力やPCへ送って録音した音はライン臭い、ピエゾで拾ったようなナイロン弦っぽい音になってしまいます(^_^;)。
音作りのコツでもあるのでしょうかね??
遊びで弾くならともかく、レコーディングにはやはり(小さな音でも)私はマイクを立た音のほうが好きですかね(ギターを弾く場所とアンプの場所を離せば今回のような生音も入りませんし(^^ゞ)。
どうしてもラインでという場合はIR(インパルスレスポンス)対応のアンプシミュレータ(スピーカシミュレータ)を別途用意したほうが良いと思います。
FLY RIG 5 V2の自宅での使い方
FLY RIG 5 V2は出力がシールドをつなぐフォンジャックと、XLR端子の2つがあり、両方とも常時出力しているので、ギターアンプとミキサー経由でPCに両方つないでおいて、普段はアンプで練習、深夜などはミキサー経由のヘッドホンで練習という使い方も出来て便利です。
まとめ:FLY RIG 5 V2はどんな人におすすめ?
FLY RIG 5 V2は、マルチエフェクターは使ってみたいけど多機能なマルチエフェクターは使いこなす自信がなという、私のような人にはとても良いと思います。
なにしろ完成度の高いマーシャル系サウンドのエフェクターと、フェンダー系サウンドのエフェクターが入っていて、しかもエフェクトループにはお気に入りのエフェクターもつなげますからね👍
FLY RIG 5 V2は多くのマルチエフェクター同様のバッファードバイパスが採用されていて、バッファの質によっては逆に音が劣化してしまう場合もあるのですが、FLY RIG 5 V2のバッファはなかなか良くて、エフェクトループにエフェクターをたくさん繋いでも特に音質劣化を感じることがありませんのでFLY RIG 5を中心にシステムを組むのもおすすめです。
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