チューブスクリーマーの改造~オペアンプ交換と比較レビュー
オペアンプを交換をするとどうなるの?お気に入りのオーバードライブ チューブスクリーマーのオペアンプ交換して比較してみました。
オペアンプとは
オペアンプとはOperational Amplifier(演算増幅器)といい、微弱な信号を増幅させるために使うICチップのこと。
このオペアンプの違いによって音が良くも悪くもなるようです>ホンマかいな。
私のTS9の2ndリイシューもそこそこ良い音でしたが今ひとつメインにはなれない何か?があったので思い切って交換してみようかと。。。
チューブスクリーマー TS-9 オリジナルとリイシューの違い
TS9は1980年代に発売された人気のチューブスクリーマーですが、このTS9はオリジナルではなく、90年代に発売されたリイシューモデルです。
リイシューモデルなので見た目はそっくりですが、サウンドがやや大雑把というかちょっと違う気がします。
一番の違いがオペアンプ(演算増幅器)と呼ばれるもので、オリジナル・チューブスクリーマーTS9には日本無線製"JRC 4558D(表面の艶があるもの)"が搭載されていますが、このリイシューモデルには東芝製"TA75558P“という互換モデルが搭載されていて、この違いが音にあらわれているらしいのです>ホンマかいな??
オペアンプの交換
某ギターアンプに付いている"JRC 4558DD"を発見したので早速作業開始!まずは既存のオペアンプを外す作業から。
こちらがTS9リイシューに付いていたオペアンプ"TA75558P"
ハンダとハンダ線、ハンダ吸い取り線で丁寧に外し、交換してみます。
交換完了!
“JRC 4558DD 1350B"は通称"つや無しタイプ”と言われるモデルで、80年代前半の艶ありタイプとは違いますがとりあえず👌
DDというのは超低雑音型とのこと。
組み込み完了!!
ちと焦げましたが音は出ましたよ。
オペアンプ交換で音が変わる
交換前後でチューブスクリーマーに音の違いがあったのかと言うと、こんなに変わるの??というくらいヌケの良い音になりました。例えるなら近眼の人が眼鏡をかけて視界くっきりみたいな(笑)。
オペアンプ一つで変わるんですね~びっくり。
今回交換したのは艶なし4558DDで製造は1980年代中~後期製(1980年代中期以降に発売されたIbanezのチューブスクリーマーのTS10には艶なし4558Dが搭載されます)。
1980年代初期のオリジナルTS9に搭載されていた(4558D艶有り?)とは違うのですが結果的に大正解でした👍
しかしオリジナルチューブスクリーマーって一体どんな音するのだろう??
ヴィンテージの艶ありJRC 4558DDも手に入れた
古いBossのグライコGE-7にも"JRC 4558DD 2335が付いていて(こちらは艶有り?)、ものは試しにと交換してみたところ・・・
歪みは若干減るものの、音の艶やかさが増したとてもナイスな音になりました>スティーヴィー・レイ・ヴォーンっぽいのはこちらでしょうか?
ただし音的に好みだったのは艶無し4558DDでしたので元に戻しました(艶あり4558DDは下記で紹介しているIbanez TS808HWに付いています)。
チューブスクリーマーの改造は、オペアンプ以外にも抵抗を交換したりとか色々あるみたいですがこれ以上はちょっと無理>分からんです😅
数十円の出費で音質アップできる
一部プレミア価格のオペアンプもあるようですが、普通オペアンプなんで数十円~数百円ですからね、たった数十円~数百円でこれだけ変わるのですから面白いものです(ショップに頼めば工賃が別途かかります)。
このようにソケット式にするとオペアンプを色々試せるのでおすすめです(写真はIbanez TS808HW)。
オペアンプの比較・レビュー
Ibanez TS808HW(ハンドワイヤリングのチューブスクリーマー)にソケットを付けて音の違いを確認してみたときの音の印象のまとめです。
✅JRC 4558D(艶なし・現行モデル): ザラザラとした平坦な音。1,2,3弦の艶は出るが、低音弦にふくよかさが無い。 |
✅JRC 4558DD(艶有り・ヴィンテージ): 現行のリイシューものとは、全く違う音!ミドルがクワーっと出てきた。クリーミーで、艶やかな高域(ペチペチと弦が鳴る感じ)と、スカスカというか、隙間のある低域??(うまく表現出来ない)は、これぞチューブスクリーマー!! |
✅TA75558P(東芝製・TS9に搭載されていたもの): TS9では、ヌケが悪く大した事なかったんだけど、意外と良い音。ヌケの悪さがハンドワイヤードにはかえって良いのかも。 |
✅NJM4558D(JRCと同じもの): あたりまえですが、純正と同じ音。 |
✅NJM4558DD(低雑音型): 上と同じ特に変化なし。 |
✅NJM4558DX(ハイゲインタイプ): 上と同じ。ハイゲインな感じはしない。 |
✅NJM4560D(4558の改良型/600Ωドライブ可?): 上と同じ。特に変化なし |
✅RC4558P(スティーヴィー・レイ・ヴォーン所有のTS9に載っていたと言われるTexas Instruments社のオペアンプの現行モデル。JRCに比べやや荒々しいサウンドとのこと。モディファイで有名なKeeley氏はTS9にこのチップを使うらしい): 艶々の中高域は噂通り。残念な事に上のチップ同様、低域が出ないというか、低域がザラザラしている。 |
✅RC4559P(Texas Instruments社 Audio用ICの定番品。4558のワイドレンジ版): 上のRC4558Pよりはバランスが良い気が。 |
✅TL4558P(初期のTS808は、JRC 4558D艶ありと、Texas Instruments社製のRC4558Pと、RC4558Pの改良型であるこれが使われていたとか。もちろんこちらは現行モデル): 今回用意した現行チップの中では一番バランスが良い。艶有り4558DDが使えないならこれを使うかな? |
まとめ
結果、1番良かったのはやはり80年代の艶有り4558DDでした。今回リイシュー品を幾つか試しましたが、80年代のオペアンプとは全く違うんですね、TL4558Pなど良く出来たオペアンプもありましたが、リイシューものに共通しているのは低域が表現出来ていないものがほとんどです。
1、2、3弦の艶はJRC 4558D、RC4558P、RC4558P、など良い線いっているものもあっただけに非常に残念。
ま、サウンドはオペアンプだけで決まる訳ではなく、例えば足りない低域は他で補えば良い訳で、Keeleyなどモディファイで有名なメーカーはそうして評価を得ているのだと思います。
また、今回はDrive、Tone、Level共に固定(12時の位置)して試したのでこの結果ですが、色々設定すれば艶有り4558DDに近い音も出せるのかな??とも思わないでもなかったりします。
しかし素人のσ(^_^)でも音の違いは明らかなのだから、もっとオペアンプの音質改善出来ないもんかね??>特に低域。
ということでオペアンプを交換してみたいという方はこちらから。
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