フェンダーアンプは歪まないというのは本当なのか?
フェンダーアンプはクリーンが得意で歪まないというイメージがありますが本当なのでしょうか。
フェンダーアンプは歪まない?
よくフェンダーアンプは歪まないなどと言われますが本当なのでしょうか。
実際はそんなことはないのですが、”フェンダーのアンプ=歪まない”というのはおそらく、スタジオ等に常設してある事が多いツインリバーブのイメージからそう思われてるのかな?と思っています。
ツインリバーブは歪まないのではなく、歪まないようにしたアンプなのです。
というのも、チューブアンプというのはボリュームを上げるとナチュラルな歪みが少しずつ乗ってくるので、小さな出力のアンプですとすぐに歪みはじめてきます。
フェンダーのラインナップで言うと、出力の5w程度のチャンプや、出力15w程度のプリンストンなどは比較的早く歪み始めます。
といってもチューブアンプは同じ出力のトランジスタアンプと比べても倍程度の大きさなので、実際にはかなりの爆音で、5wのチャンプといえども自宅ではまず歪みません、あくまでもスタジオレベルでの話です。
そこでフェンダーなどのアンプメーカーは出力を大きくし、歪まないアンプを開発しますが、その最たるものが、フェンダーのツインリバーブ(80w)なので、フェンダーアンプは歪まないというのはある意味で正解とも言えます。
マスターボリューム付きのアンプの登場
これらのアンプは1950年代から1960年代に開発されたアンプで、1970年代になるとマスターボリュームが搭載されたアンプが発売され一般的になります。
マスターボリュームとは通常のVolume(ボリューム)以外に、Master(マスター)やGain(ゲイン)、Drive(ドライブ)などと呼ばれるツマミが搭載されたアンプで、ギターの入力レベルを(アンプのトーンを調整するプリアンプ部分で)上げてあげることで小さな音量でも歪みを得やすくしたアンプです。
以下はフェンダーのデラックスリバーブ(上)と、フェンダーのスーパーソニック(下)というアンプのコントロールパネルですが、デラックスリバーブにはない、Gainというツマミがあるのが確認できると思います。
※これらのアンプは2チャンネル仕様で、デラックスリバーブはノーマルチャンネルとリバーブ/トレモロのチャンネル、スーパーソニックはクリーンチャンネルと歪みが得られるドライブチャンネルという2つのチャンネルを持っています。
[動画] マスターボリュームのないアンプのボリュームを上げるとどうなるのか?
それではゲインのないアンプは歪まないのかと言うと、先程も言いましたようにボリュームを上げると徐々に歪みが乗ってきますので、一体どんな感じで歪んでいくのかという動画がありましたので紹介します。
アンプはフェンダーの代表機種である、デラックスリバーブのノーマルチャンネルです。
Fender Deluxe Reverb Cranked to 10!!:
Vol4以下のクリーンなトーン(と言っても少し歪みが乗ってる感じ)も良いし、歪みが徐々に乗り始めるVol6~8のトーンも良いし、ボリューム10のブーミーな音も捨てがたいですね。
チューブアンプはボリュームをあげることで、このアンプのように歪みが乗っかってきてしまうので、クリーンな音が好きな人は出力の大きな、例えばフェンダーのツインリバーブ(80w)のようなアンプを使えば良いし、比較的小さな音でも歪ませて使いたいという方は、マスターボリューム付きのアンプを選ぶか、このデラックスリバーブ(22w)や少し小さなプリンストンリバーブ(15w)などを使えば良いということになります。
歪んだアンプの音をクリーンにする方法
それではアンプのボリュームを上げて一旦歪んでしまった音をクリーンにするにはどうするかというと、アンプの設定(音)はそのままで、ギター側のボリュームを絞る方法もあります。
ギター側のボリュームを絞る=アンプへの入力が小さくなるので音量が下がると同時に歪み量も減るのです。
これは多機能アンプがなかった昔のギタリストがよくやっていた方法ですが、以下の動画が参考になりますよ。
Joe Bonamassa’s Gibson Les Paul tone tips guitar lesson:
このように昔のギタリストはギター側のボリュームやトーンを絞り多彩な音を出していたんですね👍
これをやるにはギターに付いているボリュームポットの質が大切になってくるのですが、おすすめはCTS製のポットです。
詳しくは:
自宅など小さな音で歪んだ音を出す方法
それでは、ボリュームが1つしかないチューブアンプの歪んだサウンドを自宅など大きな音を出せない環境で出すにはどうすれば良いかというと、アッテネーターを使うという方法もあります。
アッテネーターという機器をアンプとスピーカーの間に入れることで、歪んだ音はそのままに、音量だけを小さくすることが出来ます。
※アッテネーターの接続にはスピーカーアウト端子が搭載されている必要があります。
また、最近のアンプには出力切り替えスイッチが付いたアンプも多く発売されていますので、例えばライブでは30w、スタジオ練習では15w、自宅では1wなどといったように用途に応じた使い方のできるアンプもあって非常に便利です。
もちろん自宅などでは歪みエフェクターを使う方法法もありますし、マスターボリューム付きのアンプが便利なのは言うまでもありません。
歪まないイメージのフェンダーアンプも、近年ではマスターボリューム搭載の様々なアンプが発売されていますので詳しく以下のページでも紹介しています。
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