歪みエフェクターには、オーバードライブ、ディストーション、ファズ、ブースターなどの種類があり、それぞれ歪み方や役割が異なります。
このページでは、それぞれの違いや特徴、さらに歪みサウンドの起源まで分かりやすく解説します。

歪みエフェクターとは
歪みエフェクターには大きく分けて、オーバードライブとディストーション、ファズ、さらにブースターと4つの種類があります。これらのエフェクターは、共にアンプのボリュームを上げたときの音を再現したエフェクターです。
歪みサウンドの起源
エレキギターが発明された当時は、歪みサウンドというものはありませんでした。当時は歪み=悪と言われていた時代のなか、偶然レコーディングされた曲があります。
Rocket 88 (Original Version) – Ike Turner/Jackie Brenston:
ギターの音が歪んでいますね。これが「歴史上最初期のディストーションギター」と言われるもので、ギタリストは Willie Kizart(ウィリー・キザート)。
これはアンプが輸送中にスピーカーのコーンが破れてしまい、そのまま録音したという歴史的な音源です。
アンプはまだ現存しています。

ウィリー・キザートのアンプ(フェイスブックより引用)
これはアイク・ターナー&ヒズ・キングス・オブ・リズムのウィリー・キザートが使っていたアンプです。メンフィス・レコーディング・サービスへ輸送中、車から落ちてしまいました。アンプのコーンはひどく破れており、予備のアンプもありませんでした。
スタジオオーナーのサム・フィリップスが破れた部分に新聞紙を詰め、音量を最大にしたところ、史上初のファズ/ディストーションギターサウンドが生まれ、ジャッキー・ブレンストンの「ロケット’88」がロックンロール初の名曲となったのです!
フェイスブックより~機械翻訳済み
この曲は1951年4月に発売され、 1951年6月にビルボードR&Bチャートで1位を獲得します。
この音が後に発売される、世界初のファズ Maestro 「FZ-1 Fuzz-Tone」につながります。

ファズとは、Rocket 88で聴けるような、スピーカーのコーンが破れたような歪んだ音を再現したエフェクターで、Maestro FZ-1 Fuzz-Toneは1962年に発売され、ローリング・ストーンズが「Satisfaction」で使用したことで一躍脚光を浴びました。
The Rolling Stones – (I Can’t Get No) Satisfaction (Official Lyric Video):
ファズサウンドはスピーカーのコーン紙だけでなく、アンプのボリュームを上げることでも得ることが出来ます。
代表的なモデルがフェンダーのツイードアンプです。
Fender ’57 Bandmaster:
フェンダーアンプは歪まないと言われることがありますが、特に最初期のツイードアンプはボリュームを上げることで、激しいファズのような荒々しい歪みを得ることもできます。
アンプのボリュームを上げたときの音とは
歪みエフェクターの元になっているのは、真空管アンプを大音量で鳴らしたときに発生する「アンプの歪み」です。

当時のアンプには、GAINやOVERDRIVE、LEADといったマスターボリューム式のアンプでは無かったために、音を歪ませるためにはアンプのボリュームを上げる必要がありました。

チューブアンプはボリュームを上げると、一定のポイントから音量の上昇が鈍り、音が飽和して歪みが生じます。具体的なサウンドの変化については、以下の動画をご参照ください。
参考:FENDER DELUXE REVERBののドライブサウンド:
この歪んだサウンドは、ボリュームを上げないと再現できないために、特に大きな出力のアンプでは、例えば自宅や練習スタジオ、または小規模なライブハウス等では再現できませんでしたが、そこで開発されたのが後に発売されるディストーションでありオーバードライブです。
まとめると、歪みエフェクターとして最初に登場したのはファズ(Maestro FZ-1 Fuzz-Tone)で、次にディストーション(1970年代半ばにMXR Distortion+)、次にオーバードライブ(1970年代後半にBOSS OD-1)という順で発売されます。
オーバードライブ・ディストーション・ファズ・ブースターのそれぞれの特徴を詳しく見てみましょう。
オーバードライブ・ディストーション・ファズ・ブースターの違いと特徴
| 種類 | 歪み量 | 特徴 |
|---|---|---|
| ブースター | ほぼ無し | アンプや歪みをプッシュ |
| オーバードライブ | 弱~中 | アンプライクな歪み |
| ディストーション | 中~強 | 強い歪みを作れる |
| ファズ | 強 | 潰れたような激しい歪み |
オーバードライブ
オーバードライブは、アンプのボリュームを少し上げたときのような柔らかい歪みが得られるエフェクターです。歪みは比較的弱めですが、アンプの歪みと組み合わせることでさらに強い歪みを作ることもできます。
おすすめジャンル:
ロック、ポップス、ジャズから、アンプのゲインブースターとして使用すればメタルにも使用可能です。
ディストーション
ディストーションは、オーバードライブよりも強い歪みが得られるエフェクターです。アンプがクリーンな状態でもしっかりと歪ませることができるため、ロックやメタルなどのジャンルで定番のエフェクターです。
おすすめジャンル:
ロック、ポップスはもちろん、アンプがクリーンでもよく歪むのでメタルには定番のエフェクターです。
ファズ
ファズ(Fuzz)とは「毛羽立った」「ぼやけた」という意味で、音が潰れたような過激な歪みが特徴のエフェクターです。
おすすめジャンル:
ジミ・ヘンドリックスをはじめとする1960年代のクラシック・ロックには欠かせないエフェクターです。
また、本物のトランジスタを使用したファズは、ギターのボリュームを絞ることで、アンプのクリーン~クランチサウンドでは得られない「鈴鳴り」サウンドも得られますので、クラシック・ロック以外のロックはもちろんブルース系のジャンルにもおすすめです。
ブースター
ブースターは単独で音を歪ませることは出来ませんが、アンプや歪みエフェクターの入力レベルを上げることで歪みを強くすることができます。また、ソロ時に音量を上げる用途にもよく使われます。
トーンの付いたモデルは音を太くしたり艷やかにする事もできます。
おすすめジャンル:
ギターアンプで音を作れる方には最強の武器になるでしょう。アンプの個性を活かして音をパワフルにできますので、ジャンルを選ばず使用できます。
初心者はどれを選べばいい?
歪みエフェクターはそれぞれ特徴がありますが、初心者の方にはまずオーバードライブがおすすめです。オーバードライブは歪みが自然で扱いやすく、アンプの音を活かしたサウンドを作ることができます。
さらに強い歪みが欲しい場合はディストーション、1960年代のクラシックロックのような個性的なサウンドを求める場合はファズがおすすめです。
また、すでにアンプで歪みを作れる場合はブースターを使うことで、歪みをさらに強くしたりソロ時の音量アップに使うことができます。
初めて歪みエフェクターを購入する場合は、扱いやすいオーバードライブから試してみると良いでしょう。
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